記者たち 衝撃と畏怖の真実~疑わしきは罰せずは国際社会では通用しないのか
2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は「大量破壊兵器保持」を理由に、イラク侵攻に踏み切ろうとしていた。新聞社ナイト・リッダーのワシントン支局長ジョン・ウォルコットは部下のジョナサン・ランデー、ウォーレン・ストロベル、そして元従軍記者でジャーナリストのジョー・ギャロウェイに取材を指示、しかし破壊兵器の証拠は見つからず、やがて政府の捏造、情報操作であることを突き止めた。真実を伝えるために批判記事を世に送り出していく4人だが、NYタイムズ、ワシントン・ポストなど大手新聞社は政府の方針を追認、ナイト・リッダーはかつてないほど愛国心が高まった世間の潮流の中で孤立していく。それでも記者たちは大儀なき戦争を止めようと、米兵、イラク市民、家族や恋人の命を危険にさらす政府の嘘を暴こうと奮闘する・・・。
イラク開戦といえば大量破壊兵器問題です。
あまり報道がされなかった記憶がありますが、結局大量破壊兵器は見つけられなかったんですよ。
これね、本当にひどいことだと思いますよ。
そりゃー9.11で全世界がショックを受けたのはわかります。
もしかしたらイラクは何かしらの兵器を保有しており、アメリカのスパイによる発見を恐れて、あの一瞬で隠したり、処分したのかもしれない。
だけど疑わしきは罰せずが基本でしょう。もし確信が持てないのであれば違う方法で喧嘩を売ればよかったんですよ。
こちらから挨拶して、お前今メンチ切ったね?処刑ね!って言っているようなものですからね。
そして、売った喧嘩も圧倒的にアメリカ優勢という一方的なものです。
アメリカとイラクでは兵力の差は圧倒的です。
アメリカ vs アメリカ以外の国で戦っても、勝てないかもしれないというくらいの軍事力の差があるのですから、いじめ、いやいやアメリカによるイラク人の虐殺みたいなものですよ。
私は陰謀説は全く信じないのですが、この事件に関してはいろいろときな臭いことが多すぎる。
陰謀説が根強く残っているのも、アメリカの対応がまずかったからだと思いますよ。
こんなことやっているからブッシュも靴を投げつけられるんですよ。2回とも神回避したのはすごいと思いましたけど。
世論が開戦ムードの中、このメディアはよく頑張ったなと思います。
悪いのは開戦に踏み切った側なのに、面と向かって非難されることもあったと思います。
ですが、映画の中でたびたび挟み込まれる政治家の発言切り抜きが気になります。
これはマスコミお得意の方法ですよね。
これを使えばどんな意見だって捏造できちゃう気がして、この映画の信ぴょう性が一気に落ちてしまう。
時間の制約や一般的な視聴者が興味をもって聞ける時間は限られていますが、印象操作されてるような気がして、素直にストーリーに集中できない。
ドキュメンタリーとしてはなんか物足りない。だって結局は開戦を止められなかったわけですし…。
そういえば当時、ブッシュに似た人に靴をぶつけるというFlashゲームが流行った記憶があります。
なんかあの顔、嫌悪感があるんだよね。
そして、衝撃と畏怖っていうのはイラクの作戦名『Shock and Awe』から持ってきているんですね。
いろいろと調べていたらわかりました。
テーマは面白くてよいのになー。
もうちょっと面白くできそうなのに、こういう映画が流行るとアメリカ的にまずいんですかね。