ヴェネチア国際映画祭で世界初上映された、イタリアの名匠シルヴィオ・ソルディーニ監督作品。イタリア、ローマ。広告代理店に勤めるテオは、典型的なプレイボーイ。恋人、愛人、家族とは適度な距離を置いて向き合わないままに、仕事漬けの毎日を送っている。暗闇の中を白杖で進むダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)のワークショップに参加した彼は、アテンドスタッフとして働いていた盲目の女性・エマの声に魅せられる。思春期に視力を失った彼女は、フランス人の夫と離婚したのち、オステオパシー(理学療法士)の施術者として自立して生きている女性だった。テオは急速に彼女に惹かれていく。ふたりは関係を深めていくが、テオは恋人グレタと向き合えないままだった。そして、テオとエマがスーパーマーケットで一緒の所に、グレタが鉢合わせしてしまう。テオがグレタに「ボランティアをしている」と言い訳していたことを知り、深く傷ついたエマは…。
タイトルはなんとな~く純愛を感じるものでしたが内容は全く違います。
広告作成を生業とするいいおっさんが、妻がいるのにエマという女に入れあげるというお話です。
なんというか、この主人公のエテ公がプラプラしているだけの映画という。
スーパーで奥さんと出会ったりエマに振られてセンチメンタルになっていますが、全部自分が蒔いた種じゃんって感じです。
しかもこのおっさん、不倫相手に人妻までいますからね。お前どんだけモテるんだよって感じです。
うらやましいかと問われると、我が家ですら居場所がない私からすると確かにうらやましいところはあります。
だけど、こんなごちゃごちゃするくらいなら独り身でいいわと思います。
そしてこのおっさん、最初にエマの声を気に入ったのですが、実物は見たことがなかった。妻のためにバナナの柄の服を探しに洋服屋に入ったところ、偶然エマに出会ったんです。
愛とか好きとか言っていますが、絶対実物が好みだったからナンパしたに決まってますやん。
はじめはどう見ても同情でしょう。たまたまエマが乗り気だったからあんな関係になったわけで、付き合いが長くなると面倒くさいとかやってらんねーと思って別の女のところに行くのが容易に想像できる。
本当にひどいわ。
結局一番かわいそうなのはあの美人妻ですよね。
こんな男さっさと捨てちゃえばいいのにそういう描写はありませんでした。
それからエマとあの変態おっさんを再燃させたあの若い女の子。彼女もちょっとひどくないですか。
彼女が純粋だからエマに気持ちが残っていることがわかったのかもしれませんが、あのまま二人が離れれば丸く収まったのに…。
私は彼女の悪意じゃないかと読み取ってしまいましたよ。
他人が幸せになるのが許せないっていう気持ちが白杖を持つきっかけになることだってあると思うのです。
終わり方はエマの視点で終わったでいいのかなー。
だけどさー、エマは明るさはわかるって言っていたんだから、真っ暗な背景じゃなくてもう少し何かあってもよかったんじゃないかな。
まあ、私には到底経験できないお話でした。気に入らない作品だといろいろ書けるというのはもはや病気だな。