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ハクソー・リッジ~武器なしで戦場に立った男。信念は戦争という大義に勝てるのか。

 

ハクソー・リッジ(字幕版)

ハクソー・リッジ(字幕版)

  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: Prime Video
 

今回ご紹介する『ハクソー・リッジ』は、第2次世界大戦中に、銃を持たずに70人以上の命を救った実在の人物、デズモンド・ドスの物語です。彼のような「良心的兵役拒否者」が兵士として戦場に赴くことを許されていた、という事実にまず驚かされました。万歳アタックで死を美化していた日本とは、個人に対する考え方が一歩も二歩も進んでいる、と感じずにはいられませんでしたね。

 

デズモンド・ドスは、兵士として戦争に参加することには反対ではないものの、宗教的な理由から「生涯、武器には触らない」と固く心に誓っていました。銃だけでなく、手榴弾などの火器、つまり人を殺す兵器を一切持たない。彼のその強い意志は、上官や仲間の兵士たちから理解されず、邪魔者扱いされ、ひどい暴力まで受けることになります。

 

映画『ハクソー・リッジ』とは?

2016年に公開された『ハクソー・リッジ』(原題:Hacksaw Ridge)は、メル・ギブソン監督、アンドリュー・ガーフィールド主演の戦争映画です。第2次世界大戦の激戦地、沖縄の「ハクソー・リッジ」を舞台に、良心的兵役拒否者として、人を殺すための武器を一切持たずに衛生兵として戦場に赴いたデズモンド・ドス(アンドリュー・ガーフィールド)の半生を描きます。仲間から理解されない苦悩や、壮絶な戦場での命を救う奮闘を通して、戦争の倫理と人間の尊厳を問う感動の実話です。


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見どころ:銃を持たない兵士の、命を救う戦い

デズモンド・ドスは、最終的に軍事裁判までかけられますが、ギリギリのところで彼の主義が尊重され、彼はメディックとして激戦地へと向かいます。彼が配属されたのは、ご存知の通り民間人を含めた多くの人が犠牲になった、あの沖縄戦です。

 

いたるところから飛んでくる銃弾に擲弾筒、さらには銃剣を使った肉弾戦と、アメリカ兵も相当な苦戦を強いられます。そんな地獄のような戦場で、デズモンドは火器を一切持たず、たった一人で傷ついた兵士を救い続けます。その数、日本人を含めて70人以上。彼の行動は、まさに人間がかくあるべき姿だと、心から賞賛すべきものです。

 

事実が語る、戦争の虚しさ

この物語は事実であり、映画の最後にはご本人の映像も流れます。彼の行動は本当に素晴らしいものでしたが、沖縄戦では20万人以上の人が命を落としている。それを考えると、彼の活躍が輝かしいものに映ると同時に、より一層戦争のむなしさを感じてしまいます。

 

映画の戦争シーンは、もういいよ、こんなシーン見たくないと思うくらい残酷ですが、それは映画で体験できるほんの数十分だけ。実際の戦場では、これが何日も何日も続くんです。どんな理由があれ、爆弾や銃器を使って殺し合いをするのは、間違っていると改めて思いました。