アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐は、F-16戦闘機のパイロットから無人戦闘機の操縦士に転身し、政府のテロリスト掃討作戦に貢献してきた優秀な軍人である。しかしトミーはやるせない違和感に囚われていた。ラスベガス郊外のマイホームと砂漠の空軍基地を車で毎日往復し、エアコンが快適に効いたコンテナ内のオペレーションルームにこもって、圧倒的な破壊力を誇るミサイルをクリックひとつで発射する。音声の出ないモニターだけで戦場の状況を確認するその任務は、まるでゲームのように現実感が欠落しているのだ。CIAの対テロ特殊作戦に参加したトミーは、度重なる過酷なミッションにじわじわと精神を蝕まれ、愛妻モリーとの関係までも冷えきっていく。やがてストレスが限界を超えたトミーは、冷徹な指揮官からの人命を軽んじた爆撃指令への反抗を決意するのだった……。
アフガニスタンに軍事ドローンを飛ばして、怪しいやつらを上空から爆撃するお仕事。
ピンポイント爆撃とか言っていますが、民間人は少なからず巻き込まれます。
そもそも、民間人や女子供を巻き込まなければいいという考え方もなんだかなと思います。
やり方が卑怯だという非難もあるようですが、戦争にかかるコストを考えても絶対安全なところから攻撃するというのは理にかなっていると思います。
敵に対して強烈なけん制効果もありますし、何よりこちら側の人的被害が少ないじゃないですか。確かに、顔も名前も知らない人をボタン一つで殺し続けるのは精神的にかなりつらいでしょう。
それか、自分が神にでもなった気分になるのではないでしょうか。
お前らの行動はすべてお見通し。そして変な動きをすればこのボタン一つで命を奪い、建物を破壊することができる。
アフガンの人々にとってはとても恐ろしいことです。
ラストのシーンはなかなか考えさせられます。
たった一人の女性を救うために、命令違反を犯すわけですが彼はそれで何をしたかったのか。
自分の罪の意識を少しでも楽にしたかっただけでしょうか。
そんなに苦しいのなら、やっぱり人を殺すという行為は人間が望んでいないものなんですよ。生活のためにそうせざるを得ないのだったとしたらなんだかやるせなくなりますよね。
戦争ばんざーいという雰囲気で進まないあたりはとてもいいです。
だけども、妻と別居してすぐに若いプリティービューティーウーマンといい感じになるというシーンは必要か?
彼らも人間なんだということを強調したかったのでしょうかね。
人間が直接手を下さないドローン型の攻撃はメリットばかりと思っていたのですが、メンタル的になかなかきついものがあるのですね。
命の危険があってもある程度のリアル感がないと人間ってダメなんでしょうか。