アマプラビデ王の日々

プライム会員ならば見放題。人生最高の1本が見つかるまで。。。

スイス・アーミー・マン~ハリー・ポッターがおならしてわけわかんない映画

 

スイス・アーミー・マン DVD

スイス・アーミー・マン DVD

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2018/02/21
  • メディア: DVD
 

なんだこの、わけがわからない映画は。パッケージからして奇妙でしたが、中身はもっとおかしかったですね。今回ご紹介する『スイス・アーミー・マン』は、無人島に取り残された男ハンクが、奇妙な死体メニーと出会い、故郷を目指す物語です。

 

冒頭、無人島で絶望の淵に立たされたハンクが、首つり自殺をしようとするシーンから始まります。バカみたいに長い首つり縄、そして彼の後ろにある洞穴。私はなんとなく女性の象徴を想像してしまい、「これは生命誕生の話なのか?」なんて考えてしまいました。

 

いざ踏み台を外そうとしたその時、波打ち際に男の死体が流れ着きます。この死体を演じているのは、あのハリー・ポッター役のダニエル・ラドクリフ。彼の名はメニー。ハンクが心臓マッサージをすると、メニーはおならをするんですよ。何度も何度も。真剣に助けようとするハンクが、なんだかバカらしく思えてきますよね。

 

映画『スイス・アーミー・マン』とは?

2016年に公開された『スイス・アーミー・マン』(原題:Swiss Army Man)は、ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートの「ダニエルズ」コンビが監督を務めた、奇想天外なコメディドラマです。無人島に漂着した青年ハンク(ポール・ダノ)が、流れ着いた死体メニー(ダニエル・ラドクリフ)と出会います。メニーは、おならでジェットスキーのように水上を移動したり、口から水を吐き出したりと、様々な便利機能を持つ万能な死体でした。彼らはその奇妙な力を借りて、故郷を目指す冒険に出ます。「死」と「生」の間に立つ2人の交流を通して、人生の美しさや孤独、そして愛の形を描いた、異色の作品です。


www.youtube.com

 

見どころ:おならジェットと、根暗な男の妄想

メニー(Meny)でたくさんって言う意味を込めているのですかね。確かに彼は死んでいるにも関わらずたくさんの機能を持っているのですが、それにしてもなんだか奇妙な名前です。

 

この映画の最大の見どころは、やはりメニーの「おなら」を使って水上スキーのように島を脱出するシーンでしょう。ふざけているとしか思えないこの設定ですが、この奇妙な出来事が、この映画の始まりです。

 

しばらく死体と二人で町を目指して歩き始めるハンク。二人の絆を繋いだのは、スマートフォンの待ち受けに表示されていたサラという女性。てっきりハンクの恋人かと思いきや、すでに結婚して子供がいて、一度も話したことがない女性でした。根暗で孤独な彼は、メニーという死体を相手に、サラとの出会いからデート、そして恋人との生活を妄想し始めます。このあたりで、「メニーはもしかしたらハンクの妄想ではないか?」と、観ている私たちも思い始めます。

 

中盤はただひたすらメニーとハンクの奇妙な旅が続きますが、ある日、二人はクマに襲われ、逃げ出すうちにうっかりサラの家の前に飛び出してしまいます。死体、スマホの画面、そして木やゴミで作られた大掛かりな「ままごとセット」を前に、ハンクは逮捕されてしまうのです。

 

真実が曖昧な結末

結局、メニーが妄想だということは最後まで説明されず、最後はまたおならで去っていく、というラスト。何なんだこの終わり方は。モテない男の孤独と妄想を描いた作品、と解釈すれば、辻褄は合うかもしれません。しかし、そんな短絡的な解釈でいいのでしょうか。

 

へんてこな映画でしたが、途中で飽きてしまうことはありませんでした。奇妙な映画は、「何かあるに違いない」と思って、ついつい最後まで観てしまいますよね。頭がちょっとおかしくなりたい人にはおすすめの一本です。