オーストラリアで幸せに暮らす青年サルー。しかし、彼には隠された驚愕の過去があった。インドで生まれた彼は5歳の時に迷子になり、以来、家族と生き別れたままオーストラリアへ養子にだされたのだ。成人し、自分が幸せな生活を送れば送るほど募る、インドの家族への想い。人生を取り戻し未来への一歩を踏み出すため、そして母と兄に、あの日言えなかった“ただいま”を伝えるため、彼は遂に決意する。「家を探し出す―」と。(C) 2016 Long Way Home Holdings Pty Ltd and Screen Australia
これまたインドの映画。
だけども今回はダンスがない。一秒たりともない。
そして肌の露出とベッドシーンがある。おかしい、こんなのインド映画じゃないと思って視聴後に調べてみたら、オーストラリア・アメリカ合衆国・イギリス合作のドラマ映画とのこと。
なんだ、インド映画ではないのか。ならダンスがなくても仕方がない。
インドの貧困層の子供たちはこの映画の内容が真実なのでしょう。
拾い食い、窃盗、無線乗車何でもござれ。でも彼らが生きていくためには仕方がないのです。小汚い格好をしているのに、子供のみが持つあの無垢な笑顔を見せられたら、この状況をこのまま放置していいのかといつも考えさせられます。
カーストが原因なのか増えすぎた人口が原因なのか、今後世界を牽引する存在になっていく国なのになんだか悲しくなってきます。
冒頭に登場するあの女性にはやられましたよ。
親切心で助けてくれたわけじゃないのですね。なんとなく怪しい雰囲気にいち早く気づき逃げ出すサルー。
あのままいたらどうなるのでしょうか。やっぱり奴隷として売られるのでしょうか。
サルーは無事に逃げおおせましたが、インド全体で見れば多くの子供たちが日々危険な目にあっており、彼/彼女らのその後を考えると本当に恐ろしい。
流れながされ、運よく施設に保護されたサルー。だけどもその施設もひどい状況でした。しかし、サルーは裕福なオーストラリアの家庭に引き取られることになります。
頭もよく、愛想も良いサルーと、あの基地外の兄。
もちろん血はつながっていませんが、さすがにあの兄はやばいでしょう。
驚くのは、あのオーストラリアの夫婦です。
自分たちが子供を作るよりかは、孤児を引き取ることが世界平和につながると。
そして、2人の他人にたっぷりと愛情を掛けて育てる。
そんなに簡単にできるもんじゃありませんよ。
そして、母親に会いに行くというサルーの要望を聞き、全面的に支援をする。彼らは聖人か何かでしょうか。ワタシには到底そんなことはできません。
サルーは小さいころのわずかな記憶と、なんとGoogle Earthを使って自分の故郷を見つけ出します。そして母親との再会。それから、実の兄との別れ。
ラストでこの話が実話だと紹介されます。
そして、本物のサルー(シャルーのほうがより正確な名前)も登場します。
25年は長いですよ。そんなにさらっと語れるものではないですが、生みの親と育ての親と3人で抱き合うシーンは印象的です。
シャルーはあちらの言葉でライオン。ラストまで見てしっかりとタイトルとつながるわけです。構成良し。サルー役のイケメンの彼もいい、その恋人役とか、悪役も含めて全部良かった。
ただ、あの薬漬けの兄の不快感がすごかったんですよね。さすがにちょっとひどすぎるような気がしますが、リアルも相当クズだったんでしょうかね。
これはなかなか良い1本でした。おすすめします。