アマプラビデ王の日々

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フード・インク~せめて今日の晩御飯くらいは気を付けたい。

 

フード・インク [DVD]

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今回ご紹介する『フード・インク』は、食について長年言われ続けてきた問題点を、改めて私たちに突きつけてくるドキュメンタリーです。アメリカでは公開翌週に上映館が20倍になる大ヒットを記録したそうですが、インクは「会社」という意味だそうですね。工場のような感覚で観ると、その恐ろしさがよりリアルに伝わってくるかもしれません。

 

人間は本当に業が深いな、と観ていて感じました。この映画は、主に食肉と穀物に焦点を当てていますが、食用にされる動物たちの扱いが、生きものとして扱われているとは思えないんです。ベルトコンベヤーのようなもので吊るされていく鶏たちは、確かにかわいそうです。ただ、片方の意見しか掲載されていないので、どこまで信じていいか分かりませんが、商品となる動物たちと同じくらい、畜産農家の扱いもひどいように感じました。

 

映画『フード・インク』とは?

2008年に公開された『フード・インク』(原題:Food, Inc.)は、ロバート・ケナー監督が手がけたドキュメンタリー映画です。アメリカの巨大食品産業が抱える問題点、すなわち工場式農場での劣悪な飼育環境、遺伝子組み換え食品、企業の独占、そして健康への悪影響について、消費者視点から告発しています。私たちが普段口にしている食品の裏側で何が起きているのかを赤裸々に描き出し、食のあり方について再考を促す作品です。第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされました。


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見どころ:私たちの「食」を支配する、巨大企業の思惑

私たちがびっくりするくらい安く肉を食べられるのは、こうした状況があるからなんですよね。こんな世界に変えてしまったのは、誰でしょう?それは、より安く、より美味しいものを食べたいと願う、私たち消費者なんです。その欲求のしわ寄せが、動物たちや畜産農家のもとにいっていた。そして、この状況は今も続いているんです。

 

穀物についても驚きの事実が明かされます。農薬の問題は昔からありますが、近年はそれに加えて、なんと種を毎年企業から買わなければならない仕組みになっている。私の家でも、昔は米を作っていましたので、一部を種籾として残しておいて翌年使っていました。品質を保つためなのかもしれませんが、これはちょっとひどいですよね。さらに、トウモロコシは化学的に変化させられ、様々な食品添加物として利用されています。もはや、食料ではなく、鉄や銅のような原材料と変わらないのかもしれません。

 

私たちにできる、ささやかな抵抗

このドキュメンタリーで好感が持てたのは、ラストの提言です。ヴィーガンになれとか、虫だらけの野菜を食べろとか、そんな極端な話ではないんです。買い物をするときに、地元産のものや旬のものを選ぼう、家庭菜園をやってみよう、という、すぐにでも始められることでした。

 

確かに、これくらいならすぐにでも始められます。こんな動きが活発になれば、スーパーの品揃えも変わり、農家の生活も変わるかもしれません。ここ数年で、自然由来のものを求める傾向が強くなってきたように感じます。そろそろ食については、世界的に本腰を入れて見直さないといけないのかもしれませんね。