ランカシャーの刑事 ジョーとクリシーの兄弟は、元刑事だった父と同じ道を歩もうとするあまり、ある恐ろしい犯罪を犯してしまう。同僚ロバートに発覚するのを恐れる二人は、罪の意識とパラノイアに苛まされていく。
前向きに走ってゴールへ行くというよりか、やむなく走らされて、走らされて、やっとたどり着いたら、何もなくなってしまったと思うようなそんな作品でした。
冒頭に物語りのきっかけとしてまず死体が登場します。
団地のそばの公園にある水が抜かれた噴水なのか、何らかのオブジェなのか、ただのコンクリートの凹凸なのかわかりませんが、とにかくそこに撲殺された少女が捨て置かれます。
主役の刑事が駆けつけ、調査をしていると少女の携帯がなりはじめます。
出ると何事かを言っているようですが「なんていっているかわからない」と。
この伏線。これはもしかしてホラー映画なのか?と思ってしまいました。
後半にきっと回収があるだろうと待っていたのですが、結局なぞのままで終わったような気がしています。
刑事は兄弟らしく、その父親は痴呆です。このあたりが明らかになってくると、映画全体の雰囲気がなんとなーく薄暗い雰囲気に。
結婚をしたいけれども、父親のことがありいまいち踏み切れない長男。
おしゃまな年頃の娘に手を焼く弟。
容疑者として登場したのは、幼い子供を隠し撮りするような変質者(ベン・クロンプトン氏)。
この変質者、登場した瞬間わかりました。ゲームオブスローンズのエディソン・トレット役の彼です。おい、こんなところにいないで壁守れよといいたいのはぐっと我慢です。
彼の善人そうな悪役といいますか、悪人そうな善人といいますか、どっちなのかわからない演技に翻弄されてしまいます。
挙句の果てに、刑事2人の飲酒運転・不当尋問・暴力によってあっけなく殺されてしまうのです。
無実の罪で殺された彼は本当にひどい。
それから殺害を隠すために、兄弟でいろいろと画策をしますが、結局はぼけたおやじがすべての罪をかぶって終わり、かと思いきや、最後に良心の呵責があったのでしょうかね。なんともいえない結末を迎えます。
また、最後に無実の罪で殺された男(ベン・クロンプトン氏)を、少女と同じ場所で燃やすのですよ。
これは少女の死と何らかの関連があり、何かしらの象徴だと思うのですが、それも良くわからず。
ちょっと映画全体の構成がわかりづらかったのと、どちらの立場で見ればよいのか難しい1本でした。
ひどい警官のひどい捜査でおおくの人が悲しんだという判断でいいのですかね。