食うことすなわち生きること。食の現場に全てが凝縮されている。これは、ヤバい人たちのヤバい飯を通して、ヤバい世界のリアルを見る番組。 (C)テレビ東京
おもしろかった。
こういうのって地上波では問題があって公開できないんでしょうね。
これはグルメ番組ですと注釈がはいるのですが、どこぞのおいしい料理店に行って、「とろけるような舌触り~」なんてぬるいことをやる番組ではありません。
私たちが普段絶対に出会いそうもない人々がいったい何を食っているのかを撮影し、
食事を通してその人の生き様や考え方まで味わう番組です。
紹介される料理はどれも口にしたことはありませんが、ものすごくおいしそうです。
これは撮影技術はもちろんのこと、本人たちが本当にうまいと思っているものを食べているからだと思いますよ。
一番印象に残ったのは、墓場で暮らす元少女兵ですね。
28歳。早婚の国なので、女性としては結構いい年なんだと思います。彼女は娼婦として客をとり、それで毎日ご飯を食べるのです。
1回の行為で手に入れるのが200円。そしてそのあとに食べるカレーっぽい食べ物が150円。
残りの50円はドラッグに消えていく。
生きることは食べることですよ。だけども、なんだか違うような気がする。
タコが自分の足を食べるようなそんな気分になるのですが、もしかして感覚がおかしくなっているのは自分なのかも知れないと思ってしまいます。
その日暮らしの姿こそ人間らしい生き方で、お金に縛られている私たちのほうが異常なのかも知れません。
別居中のギャングの話も良かった。殺人、窃盗、薬と悪いことはいろいろやったのでしょうが、家庭では本当に普通の人間。妻に愛想をつかされて居心地悪そうにするギャングからは哀愁が漂います。
明るくパパが大好きだけど、ギャングは嫌いという子供たちのまっすぐな気持ち。
あんなの言われたら、どれだけ難しくったってギャングから足を洗おうと思うのが普通の人間だと思います。
カルト宗教は普通のものを食べていたという印象です。
というかVTRの印象からは、彼らはカルトには程遠い存在でした。
村を追い出された人々にとってはつらいことだったと思いますが、教団そのものに害はなさそう。
それは対外的なものであって実際のところはハルマゲドンをたくらんでいるのかもしれませんが。
シリーズ5までみましたが、どのシリーズもこんな感じで濃い人ばっかりですよ。
楽しいですよ。おすすめです。