聖者たちの食卓~やっぱりインドは面白い。
インドのシク教総本山にあたるハリマンディル・サーヒブ<黄金寺院> では、巡礼者や旅行者のために毎日10万食が無料で提供されている。
はじめと最後に数行のメッセージが表示される以外は一切セリフはない映画というかドキュメンタリーというかそんな作品です。
インドのシーク教(シク教)の黄金寺院では毎日10万食の食事が作られています。
食事代金は無料。材料調達、調理、サービスまですべてボランティアでまかなわれています。
10万人が同時に食事を取ることはできませんから、だだっ広い広場のようなところにござを引き、隣の人とくっ付きながら同じ食事を取ります。
老いも若きも男も女も。そしてカーストの差もありません。これがインドなのか?とびっくりしてしまう光景です。
みんな争うことなくきちんと整列をして、質素な食事を食べています。しかもお代わり自由。きっと毎日この食事だけですごしている人も多いのだと思います。
驚くことに、この10万食の食事はすべてボランティアの手で作られています。ボランティアというよりか、そこにいた人が何かの奉仕作業ということで調理をしているイメージです。
芋をむいたり、たまねぎを切ったり、チャパティという丸いパンのようなものを捏ねて焼いて。それだけでなく、食器を洗ったりフロアを清掃したりもすべて奉仕活動です。
子供達だってただ食べるだけではありません。バケツを持って水を汲むなどできることをやっています。
力のある人は重いものを持ち、手先が起用な人は料理をする。
仕事をせず食べるだけの人もいるでしょう。だけどもそれをとがめる監督者らしい人もおらず、みんながそれぞれ持っているものを提供しているのです。
ここを理想郷という人もいるでしょう。全世界の人がこの生活をすれば少なくとも食料問題は完全に解決します。
しかし、人間は欲のある生き物です。そうはいかないのが現実ですよね。
やっぱりインドは面白い。
観光客らしき人は誰もいませんでしたが、もし許されるのであれば私もここに混じって食事を取ってみたい。