マニシスト~睡眠不足のアバラ骨男、あと味悪し
人間の想像を超えた限界点から始まる、未体験ショック・ムービー!
なんともまー、ダークな雰囲気の映画です。
最後まで見て、そういうことかと思うのですが、ただただ驚くのは赤い車に乗っている1年前のトレバーと、あの不健康そうなトレバーが同一人物ってことですよね。
ここまでがりがりにやせられるものなんでしょうかね。
体を前かがみにしたときに現れる背骨のつなぎ目は薄気味悪いですし、息を吸ってあばら骨を見せ付けるシーンなんかは思わず目を逸らしてしまいます。
そんながりがりのトレバーが主人公のこの映画、彼は不眠症をわずらい、1年間十分に眠っていません。
それだけ長い期間寝られないのであれば、当然脳にも異常が発生します。
いるはずのない人が見えたり、見覚えのない付箋が貼られていたり。トレバーはそれを誰か知らない人が自分を陥れるためにやっているのだと勘違いしてしまいます。
そんな彼を癒してくれる2人の女性。
一人は娼婦のスティーヴィー、それから空港の喫茶店のようなところで働くシングルマザーのマリア。娼婦は孤独な男性をあらわすのに良く使われるパターンだと思うのですが、このシングルマザーのマリアとの関係が非常に気になりました。
名前がマリアですから、もしかしてトレバーにも救いの手があるのか、最後に彼は自分の居所を見つけ、幸せに暮らせるのかと思っていましたよ。
マリアと親しくなったトレバーは、マリアの息子と一緒に遊園地に行きますが
そのあたりからお話は急展開。
最後の最後までみて、やっとトレバーのなぞが明らかになります。
トレバーにわずかばかりの幸せをと思っていたのですが、自業自得とは。
ラストシーンで彼は椅子のようなところで体を横たえます。目を閉じかけ、眠るようなしぐさを見せたので彼はやっと眠ることができるのでしょう。
睡眠を妨げる根本的な原因は取り除けたのですが、なかなか後味が悪い一本ですよね。