アマプラビデ王の日々

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1917 命をかけた伝令~2人の兵士に託された、1600人の命

 

1917 命をかけた伝令 (字幕版)

1917 命をかけた伝令 (字幕版)

  • 発売日: 2020/05/20
  • メディア: Prime Video
 

主人公はイギリス兵。敵国はドイツ。1917という年代を考えると第一次世界大戦(1914/7/28 – 1918/11/11)が舞台でしょう。イギリス軍の若き兵士、スコフィールドとブレイクは、司令官から想像を絶する指令を受けます。それは、敵の罠にかかろうとしている1600人もの味方の命を救うため、撤退を阻止する作戦中止命令を最前線まで届けるというもの。

 

たった二人で敵陣の中を抜ける?ドイツ軍が撤退したとはいえスナイパーは数人残しているでしょうし、地雷や奇襲を受ける可能性もありました。さすがにそれは無茶だろう…


命の危険はありましたが、トムの兄が前線にいるということで断れない状態に。うたたねをしていたウィルを巻き込んで出発します。

 

時間との戦い、死と隣り合わせの道のりが、彼らを待ち受けます。まさに、生きた心地がしないような緊迫感が、冒頭から画面全体を覆い尽くします。



究極の没入感:「ワンカット」が織りなす戦場の現実

この映画最大の魅力は、まるで全編が一つのロングショットで撮影されたかのような、驚異的な映像表現でしょう。実際は巧妙な編集で繋がれているのですが、途切れないカメラワークが、観る私たちをスコフィールドとブレイクの隣に立たせ、泥まみれの塹壕から、爆撃された廃墟、そして地獄のような戦場へと、有無を言わさず引きずり込んでいきます。

 

彼らが何を見て、何を感じ、そして何に怯えているのか。その一つ一つが、まるで自分のことのように心に迫ってくる。この「究極の没入感」は、まさにサム・メンデス監督の確かな手腕と、緻密な計算の賜物と言えるでしょうね。

 

トメン王は今回も少し悲しい役回りに…

序盤はよかったんですよ。桜の花なんかが出てきて戦地とは言え緩やかな時間が流れていました。

しかし、ドッグファイトで撃墜された敵国の兵士を助けたばっかりに、トメン王がやられてしまう。おっと、ついなじみのあるほうを使ってしまいました。

トムはゲームオブスローンズのトメン王子の人です。GOTでは最後まで救われない役でしたが、ここでも何というか悲しい役回り。今回は主役で最後まで生き残るのかと思ったのに…。

 

ちょっと脱線しましたが、主役と思っていたトムが早々に離脱し最後にウィルが生き残って伝令を届けるというお話。

 

命の価値:問いかけられる戦争の非情さ

映画を観終えた後、私たちが深く考えさせられるのは、「命」の重さについてです。スコフィールドとブレイクが伝令を届けたことで、多くの兵士の命が救われた。しかし、その裏には失われた命もある。特に、若きブレイクの死は、あまりにも唐突で、そして非情な戦争の現実を突きつけます。

「友人の死」と「多くの命の救済」――この二つの間に横たわる、割り切れない感情。この映画は、私たちに「もし自分がその場にいたら、何を思うだろうか?」と、静かに、しかし力強く問いかけてくるんですよね。

 

チート能力やご都合主義の設定がやや気になった

まず、ウィルにドイツ兵の銃弾が当たらない。ドイツ兵は前線で戦ってきた兵士たちですよ。そんなへぼエイムなわけはないと思うのですが、彼はきっとチート能力があったに違いありません。

 

それから牛のミルクのお話。実際に現地ではそういうことがあり、それを題材にして挿入したのでしょうがこう、タイミングが良すぎてなんというかとってつけたような感じになってしまいました。

 

あそこにいたらドイツ兵に踏み込まれるとかさ、母子を連れて逃げるとかあってもよかったのに。そしてラストもなんとなくフワっとした感じで終わってしまいます。あえてぼやかせることで視聴後の余韻を残したかったのですかね。