白銀の世界に佇む小さな寄宿学校。そこは音楽教育に力を入れ、コンクール優勝者も輩出する立派な名門校だった。しかし、修道院による運営が見直され、採算の合わない音楽学校は閉鎖の危機に直面する。校長オーギュスティーヌは抵抗し、音楽の力で世論を動かす秘策を考える。一方、転校してきた姪・アリスに天性のピアニストの才能を見出すが、孤独で心を閉ざしたアリスは一筋縄ではいかない問題児だった(C)2015-9294-9759 QUEBEC INC. (une filiale de Lyla Films Inc.)
クラッシックなんてほとんど聞かない私でもいくつか耳にした曲が登場しましたし、全体的に満足できた作品ではありました。
だけど、天使は出てこないし、ほとんど誰も歌わないし期待したものとずいぶんと違う作品でした。
また、いろいろな情報がちりばめられていて、最後までどこに軸足を置いたら言いか
わからずじまいでした。
おおよそのあらすじは、音楽教育を主軸にしている修道院が廃院の危機になってしまう。その危機をお得意の音楽を使って回避しようとするけど、結局回避できなかったお話。
そうなんです。ラストシーンから想像するに結局修道院は売られてしまうんですよね。
これは実話で、短い時間にいろいろなものを盛り込もうとして、こんな感じに仕上がってしまったのでしょうか。
もし実話なら、最後に一言あったほうがうれしいかったな。
作中にいろいろなイベントが登場します。
まず、ピアノの才能はあるけれどもわがままし放題のあの子が主役でしょう。
暖房代も節約するような修道院でいまどきの若者が満足できるわけはない。
道から外れそうになると必死に正そうとする院長との関係はとてもよかったと思います。
修道院の廃止を決めたあの性悪おばあさまも印象に残っています。
だけど彼女は最後まで性悪でした。
すばらしいピアノ演奏を聴いたんですから少しくらい何らかのリアクションがあっても良かったのに。
そして、修道院の先生の中にも変化についていけない人が。
彼女も彼女なりに譲れないものがあったのでしょう。
生徒には不人気だったかもしれませんが、あのような人も必要だと思います。
あのおばあちゃんも、前振りをするだけしておいて回収してくれない。
服装が変わったときにもしかして自殺?なんてことが思い浮かびましたが元気に部屋で引きこもっていました。
このあたりももうちょっと時間をかけて欲しかったな。
黒メガネのあの子が歌い始めたとき、私はこの歌で修道院の危機を救うのかと思いましたよ。
だけどこのシーンも数分で終わり。以降登場せずってちょっと寂しすぎませんか。
セレブの奥様も銀賞を取った自分の子供より優秀なのが入ってきて、内心穏やかじゃないなかったはずです。
それも特に描写されることもなく、淡々と物語りは進んでいきます。女同士のバトルが見られるかと思ったのに。
一番の謎として残ったのが、結局のところ天使は誰だったのか?
このメモを書きながら映画の内容を再考してみたのですが、結局のところ答えはわからず。
私の知らない政治的な背景や歴史があるのかもしれないですね。