犯罪現場の清掃の仕事をするレオとエルビスは、今までにない凄惨な現場で、監禁されていた裸の若い女性を見つける。冷蔵庫に保管された尻尾、壁一面の資料。彼女は一体何者なのか―?(C)2012 Yesbox Productions.
パッケージの惹句につられて、思わず再生ボタンを押してしまうことって、ありますよね?今回ご紹介する映画も、まさにそんな一本でした。
映画のあらすじ:日常に潜む非日常
この映画「テール しっぽのある美女」は、奇妙な事件から幕を開けます。物語の主人公は、犯罪現場の清掃を生業とするレオとエルビス。彼らがとある凄惨な現場で血まみれの清掃作業に当たる中、思わぬ「発見」をします。それは、監禁されていたと思しき一糸まとわぬ女性。この出会いが、彼らの日常を根底から揺るがしていくのです。パッケージに書かれた「妖精がなんちゃら」という文言から、私は一瞬ファンタジーを想像しましたが、冒頭の不穏な空気がホラー映画なのかな?と思いました。
パッケージの甘い誘惑と本編のギャップ
正直なところ、この映画のパッケージに描かれた「しっぽのある美女」というフレーパリングと、本編で繰り広げられる展開の間には、良い意味でのギャップがあります。ただのホラーかと思いきや、物語は予想もしない方向へと転がっていきます。
特殊清掃員が何か恐ろしいものを発見するのかと思いきや、登場したのは、すっぽんぽんの女性…いや、どこか神秘的で、それでいて人間離れした魅力を持つ女性。
彼女の存在こそが、この物語の核心を成していくわけです。主要な役柄を演じる役者陣の演技も、ただならぬ雰囲気を醸し出しており、特に「人ならざるもの」を演じる女優さんの表現力には引き込まれるものがありました。
尻尾が語る、その意味とは?
物語の進展とともに明らかになるのは、この謎の美女が人間ではない存在だということ。そして、タイトルにもある「しっぽのある美女」の「しっぽ」が、実は物語のキーポイントになってくるのです。私としては、尻尾を切られた状態で登場する彼女を見て、「『しっぽのない美女』じゃなくていいのかい?」と、心の中でツッコミを入れてしまったのはここだけの話。最終的には、悪者を退治し、彼女は森へと帰っていきます。
観終わって思うこと:異文化理解の壁と物語の可能性
映画を観終わった後、いくつか考えさせられる点もありました。特に清掃員の二人の背景や、彼の子供の写真と実物の違いなど、私には完全に理解しきれない部分もありましたね。これは、ひょっとするとお国柄というものも関係しているのかもしれません。文化的な背景が異なることで、解釈に差が出るというのは、海外の作品を観る上での醍醐味でもあり、もどかしさでもありますね。
個人的には、美女と清掃員のどちらかが恋に落ちて、最終的に別れる、といった展開も「アリ」だったんじゃないかな、なんて夢想したりもしました。もちろん、それは完全に私の個人的な嗜好ですが(笑)。ストーリーや設定自体は、飛び抜けて素晴らしいというわけではないものの、登場する「人ならざるもの」が放つ怪しい魅力は、確かに印象に残りました。
まとめ的なもの
「テール しっぽのある美女」は、一般的なホラーやファンタジーの枠には収まらない、独特の世界観を持つ作品です。パッケージの印象だけで判断せず、一歩踏み込んで鑑賞してみると、意外な発見があるかもしれません。もしあなたが、既成概念にとらわれない、少し変わった映画体験を求めているなら、ぜひ一度この作品に触れてみてはいかがでしょうか?きっと、あなたの映画リストに新たな刺激を与えてくれることでしょう。