アマプラビデ王の日々

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彷徨える河~ヤクルナの色は白だったと思う

 

彷徨える河 [Blu-ray]

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アマゾン流域の奥深いジャングル。侵略者によって滅ぼされた先住民族の村、唯一の生き残りとして、他者と交わることなく孤独に生きているシャーマンのカラマカテ。ある日、彼を頼って、重篤な病に侵されたドイツ人民族学者がやってくる。白人を忌み嫌うカラマカテは一度は治療を拒否す...

モノクロの映画をしっかり見たのはこれがはじめてかもしれません。

 

一人の学者がアマゾンの奥地を旅して、幻の花「ヤクルナ」を見つけるお話と言い切ってしまうと大きな間違いですね。

 

この映画では2つの時代が描かれます。

病気にかかったひとりの学者が「ヤクルナ」を求めてアマゾンをさまよう。

 

彼の命は結局助からなかったのですが、彼の残した書物を見て再びヤクルナを求めて別の若い学者がやってくる。

 

若い学者はアマゾンの住人の助けを借り、最後のヤクルナを手に入れるのですが。。。

 

生きた時代は違う二人の学者ですが、付き添ったアマゾンの原住民は同じ人です。

 

このあたりは冒頭には明かされず、話が進むにつれて明らかになっていきます。

 

冒頭にも書きましたが、単に幻の花を探す旅ではありません。アマゾン原住民の持つ生き様を味わう映画です。

 

彼らは自然の一部として生きていたのです。しかし、白人がやってきてゴム畑を作り、現住民を奴隷の様に扱う。


片手がないあの男性が、「殺してくれ。」と嘆願する姿で、原住民たちの置かれた立場が良くわかります。

 

それからあの宗教施設も。司祭は良かれと思って、彼らの幸せを願って鞭打ちまでします。あのシーンはどう見ても司祭のほうが狂人です。子供たちが大きくなった後も結局彼らは狂気の集団になってしまいました。

 

それを浄化する選択をした部族の最後の生き残りの心情を考えるとなかなか面白いですよね。

 

ヤクルナを探す間の言動なども実に面白い。

文明が進んだ日本ではぜったいに考えられない思考ですが、彼らはそれを生まれたときから守って生きてきたのです。

 

雨の前には魚は食べないとか、ジャングルのおきてを守るとか、麻薬のようなものを使って予言を得るとか、私たちから見たら原住民のほうが狂気に思えますが、それを安易に否定してはいけないですよね。

 

今でも手付かずの自然が残されて、原住民たちの生活をしっかりと守っている地域もあります。もしかすると数年後に病気が蔓延し、部族丸ごと消滅してしまうこともあるかもしれませんが、それでも私たちが手を差し伸べてはいけないような気がします。

 

突き詰めていくと私の隣人から国際支援まで含めて、支援ってどうやるべきなのかを考えされられますよね。


そして、モノクロの映画って色が自動補完されることに始めて気づきました。

最後まで見てもまったく何の違和感も持ちませんでした。

 

そしてヤクルナの色は間違いなく真っ白だと確信できたのですが、これ以外の色を想像する人がいるのでしょうか。

 

文明というものに翻弄されているのは、実は私たち自身なのかも知れません。

 

そして、「チュジャチャキ」という言葉の奥が深い。

 

結局のところ中身のない自分自身の幽霊みたいなものなのでしょうか。本当の私ってどこにいるのでしょうかね。