第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇った世界最強の暗号<エニグマ>。 世界の運命は、解読不可能と言われた暗号に挑んだ、一人の天才数学者アラン・チューリングに託された。 英国政府が50年以上隠し続けた、一人の天才の真実の物語。時代に翻弄された男の秘密と数奇な人生とは――?!(C)2014 BBP IMITATION, LLC
解読不可能といわれた暗号を解読するお話です。
だからといって難解な式や文言は一切でてきませんのでご安心を。
暗号解析の中心となったアラン氏を取り巻く人々との関係が中心に描写されます。
天才といわれる人は、やっぱりどこかおかしいのが常なのでしょうか。
アラン氏も異質なものとして認識され、幼少からかなり生き辛いかったのではないかと思います。
幼少期の話、結婚の話、暗号解読のキーとなった毎朝送られるメッセージ、暗号解読後の生活など、アラン氏の一生が一通り触れられています。
衝撃的だったのが、幽閉中に実施されていた強制的なホルモン注射です。あのお話は事実なのでしょうか?矯正とは言え恐ろしい話ですよね。アランは最後まで不遇の人だったんだと思うと、悲しくなります。
普通の人であれば暗号解読後は大喜びで報告しそうなものですが、アラン氏は少し違いました。
生きる人と死ぬ人を選ぶなんて恐ろしい話ですよね。また、解析後も終戦まで2年もかかったというのは、少し長すぎではないかと思いました。
記憶が正しければ、エニグマも3度くらいバージョンアップしているはずなのですが、そこについては触れられていなかったです。
エニグマについて少し知識があったほうが楽しめる内容だと思います。
書籍でもwikiでも何でもよいので少し眺めてから見てみることをおすすめします。
レビューを書いていて思ったのですが、エニグマを解析する話は書籍でもよく目にするのですが、開発した人の話を聞かないのはなぜなんだろうか。