幸せになる子供の頃から空想好きなアメリ・プーランそのまま大人になった彼女の好きなことは河での水切りやクレームブリュレの焦げを割ることそしてまわりの誰かを今より少しだけ幸せにすることそんな少し風変わりで、自分の事には不器用なアメリがある青年に恋をして…©2001UGCIMAGES-TAPIOCAFILM-FRANCE3CINEMA-MMCINDEPENDENT-Tousdroitsreserves
人気の高いこの作品がAmazonプライムで見られるということで早速挑戦してみました。
オープニングで小さな女の子がおかしなめがねをかけたり、極端に口を大きく開けたり。
あれ、もしかしてこれ精神的に不安定になるやつではないのか、事前に話を聞いていたものと違うぞと恐る恐る見始めました。
はじめに、アメリの生い立ちが簡単に説明されます。
どうやら彼女は幼少期にいろいろな手違いもあって成人してからは妄想の中で生きているようです。
この冒頭のシーンが映画の間ずっと気になってしまいました。
象徴的なシーンも多かったと思うのですが、どこまでが彼女の妄想でどこまでが現実なのか。
少年時代の思い出の品物を元の持ち主に戻すところは現実でしょう。でもその後バーで話をするのは、現実?妄想?
水を飲む女を描くガラス男は現実?妄想?
八百屋のちょっと抜けた店員、カフェの客と店員はどっちだ?
アメリがテレビを見るシーンもかなり印象的でした。
ダイアナ妃と自分自身を重ねているのでしょうか。
自分自身をTVのスターのように見ています。
ああ、もしかしたらこの映画のすべてはアメリの妄想でただ単に彼女はベッドに寝転んでるだけじゃないのかと不安になります。
そんな中芽生えたアメリの恋心。
内気な彼女が外の世界に出るためには、手順が必要だったんです。
他の人から見たら回りくどいやり方ですが、それらはひとつも省略してはいけない。
そうやって彼との距離を少しずつ縮めていきます。
アメリが人やものををきちんとした場所に落ち着かせるのも必要な手順。
その手順の途中で赤い靴の男の正体がわかります。まさか、え?これで終わり?
私はこのシーンで、映画が終わってしまうのかと勘違いしてしまいました。
すこし悲しかったのですが、もう少し映画は続きました(本当によかった)。
最後まで見終わって、ガラス男はイマジナリーフレンド。残りはすべて現実なのではないかと思いました。
とすると矛盾してしまうのがラストシーン。ガラス男と八百屋の男が仲良く話すシーンがあるんですよね。やっぱり私の予想は違うのか。
また、ガラス男が描く絵も印象に残りました。水を飲む女はアメリ本人でいいのでしょうが、恋人役の男性は描かれていなかったような気がします。
あの絵が何度かアップになるので、もしかしたら映画の登場人物が描かれているのでは?と思ったのですが、そうではなかった。
もしかしてこの映画の主人公はガラス男で、アメリは彼が描き出した空想上の女性と解釈することもできるのか。
うーん、書いているそばからいろいろとほころびが出てきました。
映画としては完璧にまとまっている気がしたので、何か見落としがあるのでしょう。
もう一度みたらまた違う感想になりそうな映画ですね。
それにしても向こうの人って恋愛の話ばっかりだな。
町がおしゃれで華やかなのは、いくつになっても恋心を忘れないからなのかもしれません。
また、そういった気持ちが女性の皆様にウケた映画なのでしょう。
最後に、この映画でクレームブリュレが人気になったらしいですが冒頭にちょっと出ただけじゃないですか。
うーん。それほど印象には残らなかったけど、男性と女性の観点はちがうのですかね。
クレームブリュレの表面を壊す瞬間、自分自身が少しだけアメリになったような気分に浸れるのかもしれませんね。