アマプラビデ王の日々

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きさらぎ駅~想像力の怖さと映像の限界

 

この作品を観て改めて感じたのは、ホラー映画の難しさでした。異形のものに出会うという設定は良いのですが、人によって「怖いもの」や「異型」の概念が違うというのが厄介なんですよね。


異形のものが怖いのは、それが人々の想像の中に存在するからです。でも、それを映像として具体的に見せてしまうと、どうしても「作り物」に感じてしまう。この映画でも、怖いものが一部のシーンで視覚化されてしまうんです。

 

前半部分では、そういった直接的な描写がなく、なんとなくの違和感や不可解な出来事で構成されていました。この時点では期待が高まっていたんです。微妙な怪異感や、説明のつかない現象というのは、想像力を掻き立てられて良かったと思います。

 

どんな展開になるのか、どんな結論になるのか気になりながら視聴できました。

 

ところが、後半からは、ちょっと期待とは違う方向に進んでしまいました。私の場合、怖さよりも「不可解」な方が好みなので、怖いものは見えない方が良かったです。想像させてほしかった、というのが正直な感想です。


具体的に映像として見せられてしまうと、急に作り物感を感じてしまって、怖さが半減してしまいます。この映像化のバランスって、人によっても違うし、本当に難しいんでしょうね。

 

この映画にはループする設定が組み込まれていますが、これはオリジナルの作品だと思います。実際の2ちゃんねるのスレッドでは、そういう話はなかったはずです。
元ネタを知っている身としては、映画化に際してどこまで忠実にするか、どこでオリジナル要素を加えるかという判断も気になるところでした。

 

今回この作品を観て、改めて自分のホラーに対する好みがはっきりしました。直接的に怖いものを見せられるよりも、じわじわと不安感を煽られる方が好きなんだと思います。


「何かがおかしい」「何かが違う」という感覚を持続させてくれる作品の方が、個人的には楽しめるようです。

「きさらぎ駅」は、都市伝説の映画化という難しい挑戦をした作品だったと思います。完全に私の好みに合ったわけではありませんが、こういった試みは面白いと思います。
ホラー映画好きの方なら、また違った感想を持たれるかもしれません。映画の感想は本当に人それぞれですからね。

 


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