アマプラビデ王の日々

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ワンチャンス~不器用な男が大舞台で輝くまでのおはなし

 

ワン チャンス(字幕版)

ワン チャンス(字幕版)

  • ジェームズ・コーデン
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主人公は、子供の頃は太っていて歯並びも悪く、典型的ないじめられっ子だったポール・ポッツ。大人になっても、恋人も友達もいない、冴えない携帯電話の販売員として働いていました。シャイで謙虚、自信の欠片もない彼が、誰にも言えずに胸に秘めていた夢は、なんと「オペラ歌手」になること。

 

正直な話、私はオペラというものを見たことがありませんでした。ただ、ものすごく高い声や低い声で歌う「演劇」の類だということは知っています。もちろん、ポール・ポッツという男性のことも知りませんでした。同じようにオーディション番組からデビューしたスーザン・ボイルさんの名前は、なんとなく聞いたことがあったんですけどね。

 

この映画の主人公、ポール・ポッツは、小さい頃から冴えなかったけど、オペラだけはとことん大好きだったんです。才能と「好き」が一致することって、めったにないことですが、彼には確かに生まれ持ったものがあったんですね。しかし、その才能をうまくアピールできずに挫折を繰り返し、大好きなオペラを諦め、携帯電話ショップの店員として働いていたんですから、人生って面白い。

 

運命を変えた、あの「一発逆転」の舞台裏

 

ポールに世間が注目したきっかけは、やはりイギリスの人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』でのことです。審査員も含めて全員スタンディングオベーションだったということですから、それはもう衝撃的なデビューだったんでしょう。このあたりは、スーザン・ボイルさんが世界的スターになった流れと同じですね。

 

ポールに才能があるのは事実です。ですが、このオーディションへの登場を含めて「演出だったんじゃないか?」と、ちょっとひねくれた見方をしてしまいました。彼の歌声が天才的かどうかは、オペラの教養がない私には正直わからないのですが、こういう「一発逆転系」のお話は、見ていて本当に気持ちがいい! 最後までとても楽しく見ることができました。

 

本作でポール・ポッツを演じたのは、イギリス人俳優のジェームズ・コーデン。彼の歌唱シーンは、まさに圧巻の一言です。ポールの内面の葛藤や、歌への情熱を見事に演じきっています。

 

オペラとミュージカル、結局何が違うんだ?

関係者には怒られるかもしれませんが、私、正直なところ「オペラとミュージカルって何が違うんだ?」ってずっと思ってたんですよ。「曲がクラシックだったらオペラなの? 発声方法もオペラのほうが独特な気がするし…」とかね。個人的には、ミュージカルのほうが少しカジュアルなのかな、なんてぼんやり考えていました。

 

この映画を観ると、オペラがどういうものなのか、少しだけ垣間見ることができます。専門知識がなくても、ポールの歌声がどれだけ素晴らしいか、そして彼がどれだけオペラを愛しているか、ひしひしと伝わってきます。

 

諦めない心に

決して器用ではないけれど、ひたむきに夢を追いかける一人の男の物語です。挫折や逆境にぶつかりながらも、支えてくれる人たちと共に、奇跡のような「ワンチャンス」を掴み取っていくポール・ポッツの姿は、私たちに大きな勇気を与えてくれます。

 

もし、あなたが今、何か壁にぶつかっていたり、自信をなくしていたりするのなら、この映画を見ると少し元気になるかもしれません。