人型人工知能AIアダムを創造した天才科学者。彼ら二人だけの生活に、頭脳明晰な美人女性記者が訪れたことで日常が不気味に変わり始める!次第に惹かれ合う男女の人間に感化され、AIアダムは思考を働かせ学習し、やがて思わぬ行動に出る!近未来を予測する衝撃のSFホラー!
ああ、やられてしまった。
途中にいくつもネタばれポイントがあったのに、結局気づかず最後になってそういうことかと手を打ってしまいました。
まさかそっちとは。
理論整然として、思いやりもあって、頭も良くて、アレもうまいのが人間ではないのす。物事の優先順位を都合よく入れ替え、相手を傷つけ、矛盾のある行動があってこその人間なのかもしれません。
好きだったんですよ。美人の記者が。
そりゃー男しかいない職場にあんな美人がきたらどうにかなってもおかしくありません。だけども、自分自身はアスペルガー症候群でうまく好きな人と距離をとることができない。それを本人は良くわかっていたのだと思います。
あのズレはプログラムのズレではなかったんですね。人間らしいというか人間にしかもてない特性なのでしょうか。
この映画のからくりが暗示されているポイントはいくつかありました。
まずは1度か2度差し込まれた男2人と美女1人を客観的に見ているシーン。
その後美人記者を盗撮するシーンがあったので、同じように自分達の行動も録画しているだけかと思ってしまいました。
この美人記者の盗撮も違和感はあったのですよ。なぜそんなことをする必要があるのか。自分のものにしたいだけどもうまく接することができない。だったら盗撮してやろうと言う思考をアンドロイドに組み込むとは思えない。
ならばなぜ?プログラムのバグか、彼にとっての成長か。
終盤に差し掛かったあたりのスシを握るシーンは違和感が山盛りだったのにこの仕掛に気づかなかった。「見ているだけでスシを握れるようになった」と豪語したときにアレ?と思いました。彼は天才だからできたのかと妙に納得してしまったのですが、ほとんど研究室を出ていないといっていた事実と矛盾します。
それから部屋に閉じこもっておいて欲しいと言ったにも関わらず、あの科学者は一人であたりをほっつき歩きます。
おかしい、やっぱりおかしい。だけどもここでも気づかなかった。
恋人になった彼らに対するあの科学者の反応も良かった。
結局アンドロイドに恋する気持ちなんてわからないのか。嫉妬みたいなことをしているが混乱して暴走しているだけじゃないのか?
キスしたあたりでこれはやばい。やつを止めなければと思ってしまった自分が情けない。その後のシーンでやっと彼と科学者の関係がわかり、驚いてしまいます。
(何を書いているかさっぱりわからないかもしれませんが、映画を見るとこのこんらんっぷりがわかるかと)
この映画、エンドロールが流れたあとにもう少しシーンがあります。
ラスト付近で「クイーンを手に入れた。」と言っていたあの科学者。
振られた負け惜しみなんだろうと思っていたのですが、まさかまさか、仕込みに成功していたなんて。つまり、女性記者はあの一晩で彼の子供を身ごもったのです。
いや、なんというか最後までやられっぱなしの1本でした。
アンキャニーとか不気味の谷とかよくわからないタイトルでしたが、これはなかなか面白かった。
オススメできる1本ですね。