常にアップロードする神経機能を駆使し60キロで走行可能!24時間連続稼働も問題なし!脳内に保存された膨大な知識と情報量で瞬時に遺体を分析し、事件を解決に導く最強のアンドロイド警察官エマの活躍を描く!『トランスポーター』のスタッフが放つSFクライム・サスペンス!!
ある警察署に配属された新人女性。
見た目も大変美しい女性なのですが、走るスピードは60km/h、そして80kg程度であれば軽々持ち上げられる筋力。
さらには、薬の知識も辞書レベル、法律も六法全書レベル、死体の検視をし、救命処置も完璧とくれば、彼女が人間でないことは明確です。
彼女はアンドロイド。人間界のしがらみを学ぶためにここにやってきました。
彼女の教育役として使命されたのは、日本で言うベテラン人情警官です。
相手の本音を聞きだすために、ウソや泣き落としを使い、勘と経験で捜査をしていきます。
教科書どおりの対応しかプログラミングされていないアンドロイドは混乱こそしませんでしたが、このやり方になじまず、いくつか失敗をします。
しかし、失敗を通して、人間界の矛盾や流儀を少しずつ習得していき、パートナーになっていくというお話です。
この映画では主に2つの事件を取り扱っているのですが、アンドロイド警官が出てこなくてもこの事件がなかなか面白い。
一つは、2組の夫婦のお話。
代理出産、離婚、親権、同性愛など現在の複雑な人間関係をあらわしているかのような内容です。
単純な殺人事件としてみるだけでよいのかなと思う内容です。
もう一つは医学生のお話。
エリートといわれる人々ですが、その裏側はかなり悲惨。
親や世間からのプレッシャー。同級生の熾烈な蹴落とし合戦。それから、恋愛のもつれ。これも、ある意味皮肉が含まれているのでしょうね。なかなか考えさせられます。
犯人は最後までわからないようになっていますし、殺人の動機や結論に至るまでが十分に楽しめます。
アンドロイドと人間が助け合いながら犯罪を紐解いていく。これはシリーズ化してもいけるのではないかと思うくらいの内容です。
登場人物のキャラも明快で面白いです。
アンドロイドの空気を読めない感がアクセントになっていいですね。
ただ、アンドロイド役の彼女がちょっとかわいそうだなと思ったのは、その服装です。
もちろん狙っての事なのでしょうが、そうまでしなくても良いのにと言うのが感想です。
冒頭に登場したときの服装は良いでしょう。変に露出していないあたりはむしろ好感がもてました。だがあのパーティーに着ていったピンクのミニスカートとちっちゃいTシャツ(キャラクター入り)は何だ。
奇妙なメイクと相まって笑いと言うよりか「こんな格好させられて。。。」と同情してしまいました。
それから、もっとひどいのがあの白のステテコ姿。胡坐をかき目を閉じるシーンはさすがに酷すぎる。
あれならいつもの服でいいじゃないの。嫌がらせレベルなのか?と驚いてしまいました。
そして、皆様、ラストはすこし気になりませんでしたか?
あの少女を友達と認識したでいいんですよね。最後の笑顔がちょっと引っかかったのです。その前のシーンで、彼女の部屋にスマホを持った何者かが入ってきて、プログラムのアップデートをしていたではありませんか。
あの少女の記憶を抜いて自分の子供のときの記憶にしてしまうのではなんてすこし恐ろしいことを考えてしまいました。
認識違いでなければよいのですが。。。
未来にはこんな世界が来るのでしょうか。
なんとなくですが、アンドロイドから人間が学ぶことのほうが先になりそうな気がしています。