ご都合主義のストーリーはともかく、お色気シーンもなく、危険なシーンもなくファミリーでも楽しめる貴重な映画です。
『ランペイジ 巨獣大乱闘』は、2018年に公開されたアメリカ発のパニック・アクション映画。1986年にリリースされたミッドウェイゲームズのアーケードゲーム「RAMPAGE」をベースに、ドウェイン・ジョンソン主演・製作総指揮で映画化された作品だ。監督は『カリフォルニア・ダウン』のブラッド・ペイトン、上映時間は108分。遺伝子実験の失敗により巨大化したゴリラ、オオカミ、ワニが大都市シカゴで破壊の限りを尽くすという、まさに王道のモンスター映画です。
遺伝子操作を失敗して巨大化
シカゴの企業エナジン社が宇宙ステーションでCRISPRによるゲノム編集の実験を行っていたが、実験動物のネズミが暴走して宇宙ステーションは破壊され、遺伝子サンプルが地球に落下する。この設定、どこかで見たことがありませんか? 遺伝子操作によって大きくなっちゃいました、それが都会で大暴れするけど倒して終わりっていう話です。
うーん、なんか設定に既視感がありますが、エンターテイメントとして楽しむ分には何の問題もない1本でした。
個性豊かな巨獣トリオ
ゴリラと、ワニとあとなんだ。狼か。ネズミもちょっといたな。
狼はちょっとカッコよかったですし、戦闘能力も高めでした。サンディエゴの動物保護地区に保護されていたアルビノのゴリラも印象的でしたが、ワニはもう恐竜ですよね。実力的にはNo.1のはずなのに、ワニだけあとから参戦でやや影が薄い。もうちょっとワニさんは無茶苦茶すればよかったのになーと思いました。
ゴリラのアルビノもなんか違和感あり。キングコングのイメージを保ちつつ新しい風を吹かせたかったのかな。
ただし、この映画は巨大生物が3匹もいたせいで人間側の色がやや薄まってしまいました。主役の彼はともかく、あとの登場人物の記憶があまりない。もうちょっとネタ扱いできそうな悪役の男女。あの2名は悪くなかったのに、意外とあっさり終わってしまい残念でした。
軍事力vs巨獣のリアリティ問題
巨大化したとはいえもとはただの動物ですからね。軍の力が無力になるとは考えづらい。ミサイルがダメなら毒ガス系で1発KOでしょうに。
さまざまな動物の長所を取り入れた遺伝子によって巨獣と化した3頭の動物たちには、軍による攻撃も効果がないという設定はあるものの、やはり突っ込みどころは満載。でも、それがこの手の映画の醍醐味でもあるんですよね。
ファミリーで楽しめる安全パニック映画
お色気シーンもなく、危険なシーンもなくファミリーでも楽しめる貴重な映画です。本当は私はセクシー担当がいたほうが嬉しかったのですが、仕方ありません。
この辺りは好みが分かれるところでしょうが、安心して家族と観られる作品として価値があると思います。あれ、この映画やっぱりつまらな...というより、どっかで見たことがあるようなそんな作品でした。
でも、それでいいんです。1980年代のアーケードゲームという古典的な題材を、現代のCG技術で蘇らせた愛すべきB級エンターテイメント。難しいことは考えずに、巨大な怪獣が街を破壊する爽快感を楽しめばいいと思いました。