セッション
2015年度アカデミー賞®のダークホースが、3冠を獲得!!名門音大に入学したドラマーと伝説の鬼教師の狂気のレッスンの果ての衝撃のセッションとはーー!?[才能]VS[狂気] この衝撃に、息をのむ。© 2013WHIPLASH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
見終わった後に、不快感と爽快感が同時に湧き上がるという何とも不思議な1本でした。
主な主人公はレスリングの某監督を思い出させるツルツル頭の指揮者(フレッチャー)とどこにでもいそうな、ちょっと冴えないドラマーの彼(ニーマン)。
自分で声をかけたにも関わらず、フレッチャーはドラムの彼に対して、強烈なパワハラを繰り返します。
映画の中とはいえ、フレッチャーはやりすぎです。しかし、覚醒したニーマンがそれにこたえようとすべてをすてて音楽に取り組みます。
そしてストーリー転換のきっかけとなる演奏会。ここで、大事件が発生し、ニーマンは演奏をすることができなくなります。
ああ、ニーマンはこれで終わりかという残念な気持ちと、解放されてよかったねという両方の気持ちが入り混じります。
目的を失ったニーマンですが、フレッチャーに偶然出会ってからがすごかった。
ここからが一番良いところですので、詳細は書きません。
フレッチャーのクズっぷりには腹が立ちましたが、ニーマンはもっとすごかった。
アレは、やり返したいとか、仕返ししたいという感覚ではないですね。オレはこれだけやれるんだ、これだけ才能があるんだということを誇示し、フレッチャーだけでなく、自分自身を納得させたかったのだと思います。
本当の狂人はニーマンなのかもしれません。
道を極めるということはこういうことなのでしょうか。ここまでやらなければ、人を感動させ後世に名を遺すような音楽家になれないのでしょうか。
映画のテーマともなっている音楽のタイトル調べていたら驚きの事実が。
この映画の原題はなんと『ウィップラッシュ(Whiplash)』。こちらのほうが数倍良いじゃありませんか。
なぜセッションに。。。
セッションというと強調するとか、相手に合わせるとかそういうようなニュアンスが含まれないでしょうか。ですから、私はラストは2人がきれいにかみ合うというラストを期待したのですが。
これはバトルです。自己主張です。どちらも尖っていなければなりません。
セッションというタイトルからは程遠い内容。
あえてそれを狙ってつけた和題なのでしょうか。
心が弱い人は、フレッチャーのパワハラをみるとウツになる可能性大です。それくらい強烈な映画でした。
視聴後の感想がずいぶんとわかれる1本になりそうだ。