博士と狂人~狂人と言い切るのはおかしいような気がする
19世紀、独学で言語学博士となったマレーは、オックスフォード大学で英語辞典編纂計画の中心にいた。シェイクスピアの時代まで遡りすべての言葉を収録するという無謀ともいえるプロジェクトが困難を極める中、博士に大量の資料を送ってくる謎の協力者が現れる。その協力者とは、殺人を犯し精神病院に収監されていたアメリカ人、マイナーだった――。ⓒ2018 Definition Delaware, LLC. All Rights Reserved.
また消化不良の一本を見てしまいました。
辞書を作る映画で私が知っているものは『船を編む』ですね。
私の母国語だからかこれはなかなか楽しく見れた記憶があります。この映画は「オックスフォード英語辞典」を作った人達のお話なのです。
どっからどう見ても病気に見える外科医と、辞書作りに骨を折る型破りの学者。
ドラマチックに演出したかったのでしょうが、家族愛というか学会内の裏切りとか狂人の愛だとか、病気の治療具合だとか変に大げさでなんだかなという感じでした。
狂人が辞書作りにかかわったと言っても結局はじめの頃だけのように見えましたし、統合失調症って診断されていますから、狂人という強い言葉を使うのはちょっと違う様な気がします。
ストーリーはさておき、この映画をきちんと見たかったのは私の好きなナタリー・ドーマーさんが登場しているからでした。
狂人に夫を殺されるという悲惨な役でしたが、彼女はこういう暗い過去がある役ははまりますよねー。
ただ、経済的な援助を受けているとはいえ、あの狂人に恋はしないと思うのですよ。
最愛の夫を殺したのは誰?
子供たちに内職をさせ、自分は体を売るような貧しい生活をせざるを得なかったのは誰のせい?
博士の妻もできた妻すぎて悲しさすら覚えてしまう。次は少しスッキリするのを見ようと思います。
エマの瞳~あのED野郎がサイテーなだけじゃないか
ヴェネチア国際映画祭で世界初上映された、イタリアの名匠シルヴィオ・ソルディーニ監督作品。イタリア、ローマ。広告代理店に勤めるテオは、典型的なプレイボーイ。恋人、愛人、家族とは適度な距離を置いて向き合わないままに、仕事漬けの毎日を送っている。暗闇の中を白杖で進むダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)のワークショップに参加した彼は、アテンドスタッフとして働いていた盲目の女性・エマの声に魅せられる。思春期に視力を失った彼女は、フランス人の夫と離婚したのち、オステオパシー(理学療法士)の施術者として自立して生きている女性だった。テオは急速に彼女に惹かれていく。ふたりは関係を深めていくが、テオは恋人グレタと向き合えないままだった。そして、テオとエマがスーパーマーケットで一緒の所に、グレタが鉢合わせしてしまう。テオがグレタに「ボランティアをしている」と言い訳していたことを知り、深く傷ついたエマは…。
タイトルはなんとな~く純愛を感じるものでしたが内容は全く違います。
広告作成を生業とするいいおっさんが、妻がいるのにエマという女に入れあげるというお話です。
なんというか、この主人公のエテ公がプラプラしているだけの映画という。
スーパーで奥さんと出会ったりエマに振られてセンチメンタルになっていますが、全部自分が蒔いた種じゃんって感じです。
しかもこのおっさん、不倫相手に人妻までいますからね。お前どんだけモテるんだよって感じです。
うらやましいかと問われると、我が家ですら居場所がない私からすると確かにうらやましいところはあります。
だけど、こんなごちゃごちゃするくらいなら独り身でいいわと思います。
そしてこのおっさん、最初にエマの声を気に入ったのですが、実物は見たことがなかった。妻のためにバナナの柄の服を探しに洋服屋に入ったところ、偶然エマに出会ったんです。
愛とか好きとか言っていますが、絶対実物が好みだったからナンパしたに決まってますやん。
はじめはどう見ても同情でしょう。たまたまエマが乗り気だったからあんな関係になったわけで、付き合いが長くなると面倒くさいとかやってらんねーと思って別の女のところに行くのが容易に想像できる。
本当にひどいわ。
結局一番かわいそうなのはあの美人妻ですよね。
こんな男さっさと捨てちゃえばいいのにそういう描写はありませんでした。
それからエマとあの変態おっさんを再燃させたあの若い女の子。彼女もちょっとひどくないですか。
彼女が純粋だからエマに気持ちが残っていることがわかったのかもしれませんが、あのまま二人が離れれば丸く収まったのに…。
私は彼女の悪意じゃないかと読み取ってしまいましたよ。
他人が幸せになるのが許せないっていう気持ちが白杖を持つきっかけになることだってあると思うのです。
終わり方はエマの視点で終わったでいいのかなー。
だけどさー、エマは明るさはわかるって言っていたんだから、真っ暗な背景じゃなくてもう少し何かあってもよかったんじゃないかな。
まあ、私には到底経験できないお話でした。気に入らない作品だといろいろ書けるというのはもはや病気だな。
ハント~結局彼女がウサギってことでOK?ちょっと違うような気がする
広大な森の中で目覚めた12人の男女。ここがどこなのか、どうやって来たのかも分からない。あるのは巨大な木箱に納められた一匹の豚と武器の数々。すると突然銃声が鳴り響き、何者かに狙われる。武器を取り、逃げまどいながら、やがて彼らは気がつく。ネット上にはびこる噂、「人間狩り計画」―セレブが娯楽目的で一般市民を狩る“マナーゲート“が実在することを。
冒頭からいきなり始まる殺戮ゲーム。え?この人が主人公?と思ったらあっという間にゲームオーバー。
最初の大量キルは少々グロテスクです。
このペースで進んでいくと誰を中心に見ていけばよいかわけわからないなぁと思っていたら、雑貨屋で主役がやっと登場します。
彼女の経歴もよくわからないしここに連れてこられた理由なんかも最後までよくわからなかったのですがまあ強いこと強いこと。
途中に何度も排除するチャンスはあったでしょうに。なぜか狙われない。もしかしてキルを譲り合っていたのか?
仕掛けられたトラップも巧妙にかいくぐり最後にボスキャラと対峙です。
この映画ではウサギとカメの逸話が出てきます。
たぶんそれが映画の動機というかテーマみたいなのだと思うんですけどもね。
カメがウサギに勝った後の続きが付け加えられていて、ウサギはカメの家に押し入って一家惨殺するらしい。
うーん、今回の映画と関係あるか?あの主人公の女の子がウサギ?カメに追いかけられたような描写はなかったような気がします。
海に沈んだシャンパンの話もよく分からなかったし、キャビアを食べたことある?とかそういうのはもしかしたら何か元ネタがあるのかもしれません。
Wikiを見ると政治的な風刺が含まれているとかいないとか。
私にはそれを理解できる教養はなかったようです。