ゴーン・ガール~サイコパスにイネーブラ。さてどちらが悪いのでしょう。
『セブン』『ドラゴン・タトゥーの女』の鬼才デヴィッド・フィンチャーが描く男と女の刺激的サイコロジカル・スリラーあなたはこの衝撃の展開に耐えられますか!?5回目の結婚記念日に姿を消した妻ダイニング居間の大量の血痕 妻の日記 結婚記念日の宝探しのメッセージ エイミーに何が起きたのか―
夫のニックと妻のエイミー。映画の中で何度も印象が変わります。
ニックは被害者。妻のエイミーはちょっとおかしい
いやいや、やっぱりお前(ニック)が悪いじゃん
ちょっとエイミー。それはひどいよ。夫が逃げても仕方がない。
間違いない。エイミーは正義。ニックはうそつき。妹と付き合っちゃえよ!
まるでミルクボーイのコーンフレークネタのよう。
そしてストーリーも全く読めなかった。
私はしばらくニック派だったんですよ。
母親が病気でなくなり、仕事も首になりやさぐれていたその時、妻は親から譲りうけた多額の資産を親に返してしまいます。
夫からしたら、え?何それ。俺がいる意味あるの?と思ったに違いありません。
そんなときにあんな若くてかわいくて乳の大きな女性がせまってきたらどうします?
据え膳食わぬは男の恥。ズボンのベルトが緩んでしまうのは仕方がないと思うのです。
それに気づいたエミリーは、制裁を加えることにしました。
この制裁が恐ろしい。彼女のやることは完璧なんです。
偽りの状況証拠をこれでもかというくらい用意し、万全のタイミングで失踪する。彼女が望んだのはニックの死刑。
ニックがいくら弁解をしても、アリジゴクにはまったアリのように少しずつ堕ちていく。
ああ、このままあのくそ女にしてやられるのかと思ったら、救世主の弁護士が現れます。
そうでなくっちゃ。ここからニックの反撃が始まることを期待したのですがエイミーのほうが数枚上手じゃないですか。頑張れ弁護士、頑張れニック。
万事休すと思いきや彼女らしくない失敗で、有り金をすべて奪われてしまいます。
この時は正直すっきりしました。
ここから彼女の転落人生が始まり、エンディングに向かうことを期待していましたが、天才はリカバリーも早かった。
最後は本当に衝撃的でした。いやね、そこまで行きつくものなのか。
狂気というか猟奇的というか本当に恐ろしい。
ニックは結局不幸になったんですかね。
お金持ちの美人妻が帰ってきて、家族も増える。お金もしっかり管理できて家事全般も得意。はたからみたら理想的な家族に映ることは間違いないでしょう。
しかしその裏側は…。
一番の味方が最大の敵なんて世の中にはあふれていますからね。
この映画、夫婦で見ることをおすすめしますよ(ニヤリ)
レプリカズ~キアヌさんはカッコいいけど設定が鬼畜過ぎませんか。
神経科学者ウィリアム・フォスターは人間の意識をコンピュータに移す実験を今にも成功させようとしていた。しかし、突然の事故で家族4人を失ってしまい、タブーを犯す決断をする。彼は家族の身体をクローン化し、意識を移し替え、完璧なレプリカとして甦らせることに成功したのだ。ただし、彼らの記憶を少し改ざんして―。家族と幸せな日々を送ろうとするウィリアムだが、研究を狙う政府組織が、サンプルとして家族を奪おうと襲い掛かる。愛する家族のため、暴走した科学者の戦いが今、始まる! Rating G (C) 2017 Riverstone Pictures (Replicas) Limited. All Rights Reserved.
映画マトリックス---はさすがにちょっと古いですけれどもイケメンのキアヌ・リーブス氏が主演の映画です。
クローンのお話なのですが少々倫理的に問題が。
交通事故で親しい人が亡くなるのは悲しいことだと思います。だからと言って肉体をDNAから復元させることは正しいことなのか。
これは映画ですからそのあたりはいったん目をつぶりましょう。
入れ物はこれで出来上がりました。
次に問題となるのが記憶です。こればっかりはさすがに無理だろうと思っていたのですが、今回の映画ではへんてこな液体みたいな記憶装置に脳みその中身をすべてコピーできるのです。
このコピーを再び人体に戻したとき、移植手術の拒絶反応のようなものが起こります。
つまり。自分が死んでしまったと認識した人間が再び目覚める。一瞬何が起こったかわからないようですが、すぐに戸惑い混乱し始めます。
さらにテストでは鋼鉄のボディーに記憶を戻したものですからさあ大変。
順応できればほぼ無限の寿命を得ることになるのですが、そうはうまくいきませんよね。
それからこの映画、1つだけ実験槽が足りないというひどい設定が仕込まれています。
子供なんだから1つの実践層を半分に割ってなんとかするとかそういう設定にしてもよかったはずなのに、原作者の頭の中を疑いたくなる鬼畜っぷり。
キアヌは結局相方に選ばさせるというこれまた非人道的な行為をして、結局末っ子の女の子が除外対象に選ばれてしまいます。
生き返らせた家族から、末っ子の女の子の記憶のみ消去するとかあり得ないことも何とか成功させていったんは丸く収まったかのように見えました。
だけどもキアヌは結局あのおじちゃんの手のひらの上で踊らされていただけという。
ラストはちょっとひねられていましたが、みんなハッピーになった感じできれいに終わります。
鬼畜設定てんこ盛りの1本でした。
グッド・ネイバー~心も体も健康に老いることは難しい
ひとり暮らしの老人の家に侵入し、ドッキリを仕掛けたショーンとイーサン。ドアが急に開閉、クーラーの急稼動などさまざまな仕掛けで驚かせ、反応を楽しもうと隠し撮りカメラの映像を家のパソコンに映し出すが、その反応は冷静なもので、逆に老人の常軌を逸した行動に奇妙さを感じる
隣人とのこころ温まるお話なのか、それとも恋のお話なのか。
タイトルにグッドってついているくらいですから、楽しい話かと思っていたのですが、冒頭に登場するのはなんだかいけ好かない若者2名。
研究がどうとかYoutubeがどうとか言っていますが、やりたいことはムカつく隣人をいじめてその様子を監視すること。
なんだそれ。
こんな気分の悪くなる作品なんて見なけりゃよかったとちょっと後悔します。
しばらくすると、若者が設置したカメラではない視点が登場し、この映画はフィクションということがわかります。
少しほっとしたのですが、ポルターガイストを意図的に発生させてその反応を観察するなんてひどすぎる。
映画はちゃらちゃらした若者が老人をいじめるという図式で進んでいくのですが、突然裁判の映像が入り込みます。
弁護人から「血が出ていただ」の「倒れていた」だの物騒な言葉が登場し、とんでもない結末になったことだけがわかります。
こういう演出を考えられるのは感心してしまいます。映画作る人々ってほんとうに天才ばかりですよね。
若者たちの仕掛けたトラップは次々に動作するのですが、老人は期待通りの反応をしてくれない。
地下に死体でもあるんじゃないかと疑い始める2人の若者。
そのうち老人をいじめる動機が明らかになり、薄っぺらい若者たちの本音まで見え隠れするようになります。
なんとなくアホな若者2名に天罰がくだるのではないかと思っていたのですが、物語の展開と共に裁判では様々な証人が呼ばれ誰に悲劇が訪れたのかが少しずつ解明されていきます。
時折挟まる過去の回想シーン。失われた時間は戻ってこない。
あの老人はおそらく自分の体に異常が出てきたと思ったのでしょう。
幻覚や幻聴、そして自分では気づかないうちに物が移動している。
とうとう自分が痴呆症になったかと疑ったかもしれません。
病気に気づいても治療をするつもりは全くなかった。たった一人で15年間は長すぎたんでしょうね。
あのベルが聞こえたのであればもうやることは一つしかありませんでした。
映画は若者が悪で老人は正しいという感じで進みますが、私があのネイバーと同じ立場だったとしたら、きっかけをいつも探していたと思うのですよね。
若者2の所業は許されるべきではないですが、結論はなんとなく納得がいってしまいました。
心も体も健康に老いるっていうのは難しいことです。
これから私自身が直面していく課題なのです。それにしても老人が主役の映画って救いがないから悲しくなるな。