アマプラビデ王の日々

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ボリショイ・バレエ 2人のスワン~2人のスワンのどろどろのごたごたのお話

 

ボリショイ・バレエ 2人のスワン(字幕版)

ボリショイ・バレエ 2人のスワン(字幕版)

  • 発売日: 2019/02/06
  • メディア: Prime Video
 

ゴールデン・イーグル賞 最優秀脚本賞受賞・作品賞他6部門ノミネート ロシア映画批評家組合賞 最優秀助演女優賞受賞 ロシアの名門ボリショイ劇場に、世界的トップ・バレエ・ダンサーが集結!世界的に活躍する本物のバレエ・ダンサーが集結し、世界最高峰と言われるボリショイ劇場で撮影したステージは圧巻の迫力!本格的なバレエシーンの迫力に魅了され、少女たちのひたむきな闘いに胸躍る、豪華バレエ・エンターテイメント!(C)Valery Todorovsky Production Company

バレエを見に行ったことがない私でも、ボリジョイとかプリマとかスワンって名前は聞いたことがありますし、いくつかのシーンが思い浮かびます。

 

簡単に言うと2人の女性の主役をかけた争いなのですが、超一流の人たちのお話ですから、1年2年といった話じゃありません。

 

彼女たちが幼少期からすでにバトルは始まっているのです。

 

ただ、冒頭の少女たちのシーンはちょっと困惑してしまいました。下着で踊るシーンっていりますか?この映画、こんな感じで進むのかとおもうとちょっとがっかりしたのですが、監督はこのひどい現実に対して問題提起したかったのでしょうか。

 

「私たちはあなたの踊りを見るだけです」と言ってはいましたがねぇ……。

 

年端もいかない少女たちがなんだか不憫になります。
しかしこの辱めを何とも思わないくらいバレエに熱中しなければプリマにはなれないのかもしれません。

 

誰もが演技のその完璧さを認めるカリーナ。一方自由奔放だけども華のあるユリア。

 

少女時代からのこの二人のバトルは始まります。よき友人でもありライバルでもあったこの二人。たくさん練習して、恋をして。

 

カリーナが体を触らせるシーンはよかったですね。
バレエにすべてをささげたい、だけどもあなたが本当に好きという状況が切なくて涙が出そうになりました。

 

私は、ユリアのほうが終始実力があったと思っています。

 

むしろカリーナはユリアにチャンスをもらいながら成長してきた。卒業公演もそう、その後の選考会でもそう。

 

ユリアは家庭環境が裕福ではなく、いろいろ問題がありました。さらに、遅刻やすっぽかしなんかもやらかして、私なんかがなっていいのだろうかと思っていたに違いありません。

 

私もはじめは私カリーナ派でした。

 

稽古の時を見ても、舞台の時を見ても彼女のほうがふさわしいと思っていました。

 

ところがですね、あのラストシーンですよ。

 

カリーナの顔がなんかものすごいひどい顔になっているじゃないですか。これまでの落ち着いた表情から、高慢で意地悪な表情。

 

ええ?なにこの豹変っぷりはと思いました。

 

あの舞台で踊るというのは相当なプレッシャーがあるのでしょう。誇張ではなくすべてをささげてきた彼女ですから、あんな性悪になるのも仕方がないのかもしれません。

 

一方、これまでパッとしなかったユリアってあの最後のシーンは本当に輝いていた。
メイクをして衣装を着けて、舞台袖に立つあのシーンは思わず見とれてしまいました。

 

それから繰り出される高いジャンプ。「華がある」といったおばあちゃんのお話がここでやっと納得ができます。

 

極限まで絞った体と柔軟性。それから洗練された体の動き。


何年も何年も努力と忍耐を積み重ねるけれども、あの舞台で踊れるのはほんの一握りの天才なんですよね。

 

だからこそ見るものを感動させるのでしょう。バレエを見たことがない人でも楽しめる作品です。

 

アップグレード~人類が駆逐される日はいつだろうか

 

アップグレード [Blu-ray]

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  • 発売日: 2020/04/02
  • メディア: Blu-ray
 

近未来。グレイ・トレイス(ローガン・マーシャル=グリーン)は妻のアシャ(メラニー・バレイヨ)と仲睦まじい日々を送っていた。しかしある日、謎の組織に襲われ、最愛の妻を失い、自身も全身麻痺の重症を負ってしまう。失意の中、巨大企業の科学者がある提案をされる。彼の目的は、実験段階にある「STEM」と呼ばれる最新のAIチップを人体に埋めることだった。手術の結果、グレイは再び体を動かすことができるようになる。そればかりか、「STEM」に身をゆだねると人間離れした動きができるようになり、人間を超越した身体能力を手に入れてしまう。さらに、「STEM」は頭の中の相棒としてグレイと対話するようになる。身体能力を<アップグレード>されたグレイは手に入れたこの力を駆使して「STEM」と共に妻を殺害した組織に復讐を誓うのだがー。

 

人口知能とかアンドロイドのお話です。
今回は、たった1つのチップをめぐって、いろんな人が騙しだまされる展開です。

 

設定は今から20年くらいです。車は完全に自動化されて、テレビ会議もスムーズにできる。SF映画にありがちな、何もない空間をクリックするとパソコンの画面が開いたり、ヴァーチャルキーボードを入力するシーンもありました。

 

自動化は進んでいるのに、主人公の男はアナログな自動車の整備士。今日も車をいじってとある人物にイケてる車を納車をします。

 

その帰りに自動運転の車からエラーが発生し制御不能に。事故で車は横転し、助けを呼ぼうとするも、正体不明の男たちに囲まれる。よくわからないうちに最愛の妻は殺され本人は四肢が動かなってしまいます。踏んだり蹴ったりのかわいそうな展開。

 

ここで登場するのが冒頭でちょっとお話にでたステムという小さなチップ。
ステムを体内に埋め込むことで、体の機能が復活し、主人公の男は妻を殺した悪い奴らに復讐を誓うのでした。

 

ステムの驚異的な力を借り、順調に復讐は成功していくのですが、復讐の先にはやっぱり裏ボス的な輩がいるわけです。

 

最初はステムは味方かと思っていたのです。
本人の命令に逆らえない仕組みになっていましたし、ステムを作ったあの研究者の管理も絶対でした。だけどシステムが人間を超える臨界点はやはり存在し、最終的にはステムそのものが意識をもち、人間の制限を突破してしまう。

 

この臨界点は人類がこのまま進化していけば必ず発生するはずで、事実上それが人類の終わりになるでしょう。


ラストで、まさか夢オチという結末か?とちょっと寂しくなったのですがどうやらこれはステムが見せている幻覚。

 

彼が幸せか不幸せかといわれるとなかなか難しい。バーチャルな世界では最愛の妻が生き返り、四肢も普通に動く世界。これから楽しい思い出ばかりが続くでしょう。

 

でも実際の体はステムに乗っ取られて自由に動かせない。マトリックスの世界ですね。

 

この世はすべてバーチャルな世界という説がありますが、私はそれは違うんじゃないかなと思います。

 

だってもし私だったらこんなひどい世界は作りません。相変わらず戦争はなくならないし、悲惨な事件も毎日発生しています。

 

私ではなく、未来の人間がバーチャルな世界を作ったとしても、もっと平和で怠惰な毎日になるようにするんじゃないかなと思っています。

 

それとも性格のひん曲がった人がこの世界を考え出し、人々が悩み苦しんでいるのを見て満足しているのでしょうか。

 

このタイプのお話はエクス・マキナがダントツで好きな1本です。

 

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アンキャニーというやつも、「ええ!そっちだったの?」と思うラストで好きな1本です。

 

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それと比較すると、正統派な1本だったなと思います。

 

47RONIN~殿中なんて目じゃないよ。豪華キャストなのにちょっと残念。

 

47RONIN [Blu-ray]

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  • 発売日: 2014/10/08
  • メディア: Blu-ray
 

キアヌ・リーブス、久しぶりのアクション出演作となった、ファンタジー・アドベンチャー超大作「47Ronin」。敵の謀略により君主を失い、浪人へと身を落とした47人の侍たちは、主君の名誉の回復と仇討ちを決意する。

RONINって浪人のことだよなー、47だから忠臣蔵?まさかねーと思って恐る恐る見始めました。


冒頭から大石!だの浅野!なんて声が聞こえるので、やっぱりこれは中心蔵じゃないですか。

 

主役となるのはキアヌ・リーブス演じるカイ(魁)。これまた異色の時代劇ですね。

 

共演するのはハリウッドSAMURAI映画の代名詞ともいえる真田広之さん。それからこれまた有名な菊地凛子さん。鉄壁の布陣です。さらに浅野忠信さんと娘役は柴咲コウさんですかね。

 

徳川将軍も日本映画ではあまり見かけませんが、ハリウッドのこの手の映画ではよく見る顔です。

 

うーん、なんかものすごく豪勢で演技派の方々なのですが、内容はちょっとしっくりこないというか、きれいな箱にきれいなシールがたくさん貼られているというか腹落ちがしないというか……。

 

武士道というのを表現したかったのはとてもよくわかります。

切腹を懇願するシーンは細かく描写されていましたし、実際に腹を切るところでは、うろたえることなく侍として覚悟をもって事に及ぶあたりはよかったと思います。

 

海外の人が見たらちょっと異様に見える切腹という行為をフォーカスして、丁寧に作ったんだろうなという印象をうけました。

 

もう一つ迫力があったのは殺陣です。これは水戸黄門を凌ぐ激しさでした。
あえて言うなら刀同士ではじいたときの、キンキンとかカンカンの音が欲しかったかなぁ。あと忍者は?手裏剣は???

 

どうせここまでファンタジーにするのであれば、せっかく樹海まで行って手に入れた武器なのですから、何らかの属性がついていてもよかったと思いました。これはすこし贅沢すぎる希望ですかね。

 

違和感があるのがモンスターが出てくるところなんです。冒頭にいきなり麒麟っぽいやつが登場して少し頭が混乱してしまいます。

 

それから何と言いますかグーニーズのズロースみたいなやつが出てきたり、菊地凛子がドラゴンに変身したりとなんとまー、これだと江戸時代のファンタジーRPGゲームみたいじゃないですか。

 

伝説の件を手に入れた47浪人であったが、敵の妖怪の罠にはまり、たった3人に。留守番を命じていた息子はその話を聞いて覚醒し勇者に。初老の浪人は実は大魔法使いだった。


意気消沈の大石を励まし、吉良を打つために再び立ち上がったRONIN。無事に敵をとるも、菊池さんが実は裏ボスで、正体を現した魍魎を愛の力で何とか倒す……。

 

勝手にシナリオ作っちゃだめですが、こんなエンディングを期待してしまいましたよ。

あと、忠臣蔵のシーンでも特に重要な血判を押すシーン。


これも頑張ったんでしょうが、なんというか判を押し終えた浪人たちが整列していてちょっと笑ってしまいました。

 

刀で指を切り、血判を押すという行為を海外の人は理解できるのだろうか。ちなみにカイさんは魁という名前のようです。

 

キアヌ・リーブス演じるカイと柴咲コウがラストうまくくっつくのかと思いきや、割とサクッと腹を切って死んでしまう。ここも武士道を貫きたかったんですよね。ぐっと黙って耐え忍ぶ。

 

何というか描きたいものはわかったのですが、柴咲コウの衣装もどんどん変な感じになっていくし、従者の顔も衣装に合わせてどんどん変わって、結婚の儀のシーンなんてギャグマンガのキャラかと思いましたよ。

 

全体的に盛り上がり切らない感じで終わってしまいました。


次見ます。