47RONIN~殿中なんて目じゃないよ。豪華キャストなのにちょっと残念。
キアヌ・リーブス、久しぶりのアクション出演作となった、ファンタジー・アドベンチャー超大作「47Ronin」。敵の謀略により君主を失い、浪人へと身を落とした47人の侍たちは、主君の名誉の回復と仇討ちを決意する。
RONINって浪人のことだよなー、47だから忠臣蔵?まさかねーと思って恐る恐る見始めました。
冒頭から大石!だの浅野!なんて声が聞こえるので、やっぱりこれは中心蔵じゃないですか。
主役となるのはキアヌ・リーブス演じるカイ(魁)。これまた異色の時代劇ですね。
共演するのはハリウッドSAMURAI映画の代名詞ともいえる真田広之さん。それからこれまた有名な菊地凛子さん。鉄壁の布陣です。さらに浅野忠信さんと娘役は柴咲コウさんですかね。
徳川将軍も日本映画ではあまり見かけませんが、ハリウッドのこの手の映画ではよく見る顔です。
うーん、なんかものすごく豪勢で演技派の方々なのですが、内容はちょっとしっくりこないというか、きれいな箱にきれいなシールがたくさん貼られているというか腹落ちがしないというか……。
武士道というのを表現したかったのはとてもよくわかります。
切腹を懇願するシーンは細かく描写されていましたし、実際に腹を切るところでは、うろたえることなく侍として覚悟をもって事に及ぶあたりはよかったと思います。
海外の人が見たらちょっと異様に見える切腹という行為をフォーカスして、丁寧に作ったんだろうなという印象をうけました。
もう一つ迫力があったのは殺陣です。これは水戸黄門を凌ぐ激しさでした。
あえて言うなら刀同士ではじいたときの、キンキンとかカンカンの音が欲しかったかなぁ。あと忍者は?手裏剣は???
どうせここまでファンタジーにするのであれば、せっかく樹海まで行って手に入れた武器なのですから、何らかの属性がついていてもよかったと思いました。これはすこし贅沢すぎる希望ですかね。
違和感があるのがモンスターが出てくるところなんです。冒頭にいきなり麒麟っぽいやつが登場して少し頭が混乱してしまいます。
それから何と言いますかグーニーズのズロースみたいなやつが出てきたり、菊地凛子がドラゴンに変身したりとなんとまー、これだと江戸時代のファンタジー系RPGゲームみたいじゃないですか。
伝説の件を手に入れた47浪人であったが、敵の妖怪の罠にはまり、たった3人に。留守番を命じていた息子はその話を聞いて覚醒し勇者に。初老の浪人は実は大魔法使いだった。
意気消沈の大石を励まし、吉良を打つために再び立ち上がったRONIN。無事に敵をとるも、菊池さんが実は裏ボスで、正体を現した魍魎を愛の力で何とか倒す……。
勝手にシナリオ作っちゃだめですが、こんなエンディングを期待してしまいましたよ。
あと、忠臣蔵のシーンでも特に重要な血判を押すシーン。
これも頑張ったんでしょうが、なんというか判を押し終えた浪人たちが整列していてちょっと笑ってしまいました。
刀で指を切り、血判を押すという行為を海外の人は理解できるのだろうか。ちなみにカイさんは魁という名前のようです。
キアヌ・リーブス演じるカイと柴咲コウがラストうまくくっつくのかと思いきや、割とサクッと腹を切って死んでしまう。ここも武士道を貫きたかったんですよね。ぐっと黙って耐え忍ぶ。
何というか描きたいものはわかったのですが、柴咲コウの衣装もどんどん変な感じになっていくし、従者の顔も衣装に合わせてどんどん変わって、結婚の儀のシーンなんてギャグマンガのキャラかと思いましたよ。
全体的に盛り上がり切らない感じで終わってしまいました。
次見ます。