セブンシスターズ~この女優さんは7倍のギャラをもらえたのだろうか
世界的な人口過多と飢饉による食糧不足から、厳格な一人っ子政策が敷かれた近未来。そこでは二人目以降の子供は児童分配局によって親から引き離され、枯渇した地球の資源が回復する日まで冷凍保存される。セットマン家の七つ子姉妹は、唯一の身寄りである祖父によって各曜日の名前を付けられ、それぞれ週1日ずつ外出して共通の人格を演じることで30歳まで生き延びてきた。しかしある夜、〈月曜〉が帰宅しなかったことで、姉妹の日常は狂い始める。〈月曜〉に何が起きたのか? 誰かが当局に密告したのか? 何者かの裏切りにより当局に命を狙われる身となった姉妹は、力と知恵を合わせて残酷な運命に抗おうとする―。(C)SEVEN SIBLINGS LIMITED AND SND 2016
タイトルのとおり、7人姉妹の物語です。
ストーリーはともかくアクションは結構良かったと思います。もしかしたら助かるかもしれない。と思わせて一気にやられちゃう感じはとても良かった。
格闘シーンや銃撃戦も派手ですし、私の好きなどかーんもありました。
舞台は近未来、食料問題は解決されたのですが、その結果人類が多産になってしまいまして、双子、三つ子は当たり前、四つ子、5つ子もうじゃうじゃ生まれてくるようになりました。
そこで政府が緊急的に取ったのが一人っ子政策。
あれま、まるでお隣の赤い国みたいな政策ですね。
それでも2人、3人と産まれてしまった場合は、冷凍睡眠でしばらく寝かせる処置をするようになりました。
この処置が大変な問題で、ええとつまるところ処分だったわけです。
まあ、とんでもない話で、ものすごく嫌な気分になったのですが、あくまで映画の設定ですのでそこは致し方ない。
だけどもさすがに一人7役ってのは多すぎなんじゃないですかね。
おのおの、Monday~Sundayという名前がついており、キャラの見た目や表情なんかはかなり工夫されていましたが、誰が誰か良くわからない。
平和に暮らしていた姉妹ですが、ある日突然月曜日(Monday)が行方不明になり、それを捜しにいった姉妹は次々に武装した男達に襲われ、命を落としてしまうのです。
途中から月曜日が怪しいとうすうす気づいたのでラストの「あっ」という感じは少なかったです。
トイレで嘔吐していた女性が誰か分からなかったのですが、恋人が出てきたあたりから、物語はつながり、これはすべてMondayが仕組んだのだろうと。
主演の女優さんの歯はすごくきれいにメンテナンスされていましたがそれ以外はあんまりそそられなかったな。。。
その中でもやっぱりあのめがねのバージョンが一番いいかなと思いました。
ヒトラーの忘れ物~ヒトラーほとんど関係なし。だけどむなしくなる実話。
1945年、ナチス・ドイツによる占領から解放されたデンマーク。ドイツ軍が海岸線に埋めた無数の地雷を除去するため、捕虜の少年ドイツ兵たちが駆り出された。ナチを激しく憎んでいたデンマーク軍のラスムスン軍曹は彼らに容赦ない暴力と罵声を浴びせるが、飢えや、地雷の暴発によってひとりまたひとりと命を落としていく少年兵たちを見て、次第に彼らにその罪を償わせることに疑問を抱くようになる。 やがてラスムスンは、帰郷を願う少年たちの切なる思いを叶えてやろうと胸に誓うようになるが、その先には思いがけない苦難が待ち受けていた…© 2015 NORDISK FILM PRODUCTION A/S & AMUSEMENT PARK FILM GMBH & ZDF
第2次世界大戦の大局が確定し、終戦の兆しが見え始めた1945年の5月。
ドイツがデンマークの海岸に埋めた地雷を捕虜となったドイツ兵が処理するというお話です。
国レベルで考えれば自業自得ですが、処理を担当するのは若い兵士達。
その彼らがどういう環境で地雷を撤去させられたかにフォーカスを当てた映画です。
彼らは敗戦色が濃厚な中、かき集められたいわゆる新兵達でしょう。
意気揚々と戦争に参加したものの、自分達の信じていたものがすべて幻だったと気づかされるわけです。
食事すら与えられない状況での地雷撤去。もちろん防護服もありません。ちょっとでも間違えれば丸ごと消し飛ぶ。運がよくても両手両足を失うという地獄です。
こんな状況でミスなく地雷が除去できるわけはなく、多くの少年兵が地雷の餌食になってしまいました。
少年兵を監督するデンマークの将校は、はじめはひどい剣幕で少年兵を罵倒し、ぞんざいに扱います。ちょっとひどいとは思うけれど、同じようなことをドイツ兵にやられてきたんだよなと思うとなんとも言えなくなります。
捕虜となった少年兵は何も悪くないんですよね。
彼らが地雷を埋めたわけでもないですし、銃で人を撃つこともなかったでしょう。
それにこれからドイツだけでなく世界を動かす力を持つ少年達です。
同じ人間として、やっぱり感じるものがあったのでしょう。監督官である将校は少しずつ彼らのがんばりを認めるようになります。
しかし事故はつきもの。多くの兵士が命を落とし、中には自ら地雷原を歩き始める兵士も。
最後までこのやるせない、むなしい感じで物語が終わるのかと思いましたが、最後に少しだけ救いがありました。
国境付近にいた兵士が彼らは結局銃殺されるなんてエンディングはやめて欲しいと心から祈っていたのですが、本当に良かった。
映画自体は良かったのですが、ちょっとこのタイトルはいけてない。
ヒトラーは関係あるといえば関係ありますが、忘れ物、なんて・・・
『もうヒトラーちゃんってばおっちょこちょいなんだから』と取れそうな表現ですが、置き去りにされたものは地雷ですよ。しかもその地雷で何人もが命を落としている。
この意訳のタイトルは無視しましょう。英語のタイトルはUnder Sandent。
Sandentは砂という意味のようですから、そのまま約せば砂の下(の地雷)となります。まあ悪くない。
東京国際映画祭では「地雷と少年兵」というタイトルがつけられたようでこっちのほうが断然いいです。
つい数分前まで動いていた人間が跡形もなく消えてなくなるこのむなしさ。
人間ってなぜ戦争なんてするのですかね。そもそも何で生きているんですかね。
サーミの血~どんな人生を歩もうとも、故郷は捨てられないのだ
1930年代、スウェーデン北部のラップランドで暮らす先住民族、サーミ人は差別的な扱いを受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通う少女エレ・マリャは成績も良く進学を望んだが、教師は「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げる。そんなある日、エレはスウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。トナカイを飼いテントで暮らす生活から何とか抜け出したいと思っていたエレは、彼を頼って街に出た--。(C)2016 NORDISK FILM PRODUCTION
冒頭、しわくちゃのおばあちゃんが登場し、妹の葬式に参列するも「あそこの人は嫌い」などといい、できるだけ彼らから離れようとします。
過去に何かしらの事件があったのでしょうが、それは明らかにされないまま、画面は切り替わり若い2人の姉妹が描かれます。どうやらおばあちゃん達の若い頃らしい。
ちょっとぽっちゃりしてわれわれの想像する白人とは少し骨格が違う彼女の名前はエレ・マリャ。
あれ、冒頭に登場したおばあちゃんの名前はクリスティーナだったはずだけど?
いいや、おばあちゃんは確かクリスティーナ以外の名前でも呼ばれていたっけか。
そしてその名前で呼ばれたら怒っていたような気がする。
トナカイとともに暮す彼らはラップ人と呼ばれ、臭いとか脳みそが小さいから都会に出られないなどひどい迫害を受けていることがわかりました。
頭の良かったエレ・マリャは教師になりたいと思っていたのですが、この事実に直面し教師の夢をあきらめるよう言われます。
映画では若いエレ・マリャが、世間から自分達がどのように思われているかを認識し始めた頃が描かれます。
彼女はそれに必死に抵抗します。
民族衣装を脱ぎ、親元から離れ一人で歩き始めた彼女ですが、結局のところ教師になることができたのかはわかりません。
ただ、自分の家系を憎み遠ざけて、できるだけ関わらないところで過ごそうとした。
最後にエレ・マリャが妹の棺を空けて思ったことは何だったのだろうか。
狭い世界の中で一生を終えた妹を哀れむ気持ちだろうか。
それとも何者にもなれなかった自分の人生を嘆く気持ちだろうか。
仲の良い姉妹、それからトナカイと氷。
あれ、これって・・・。そうです、どうやらラップ人はアナと雪の女王のモデルらしい。
彼女が着ていた民族衣装もなんとなく見覚えがある。ちょっと重苦しいお話でしたので、次は少しあっさり系のものを見たい。