リリー・エルベとゲルダ・ヴェイナーの素晴らしき愛の物語。アカデミー賞受賞者のエディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデルがそれぞれを演じる。監督はアカデミー賞監督賞を受賞したトム・フーパー。トランスジェンダーとして生きることを選んだリリーとその妻ゲルダの、夫婦関係や芸術活動が大きく変化していく様子を描く。
中盤までは嫌悪感というか背徳感というか、そんな感じがずーっと続き、それ以降は奥様の献身的な態度に心を奪われた映画でした。
最初は普通の画家のお話かと思っていたのに…
え?男だよね?超絶カッコイイ男なのに、あの表情は何だ!あのしぐさは何だ!
といいたくなるようなシーンが続きます。
特に女性のしぐさを真似るところで思わず目をそらしてしまいました。
これは正常な反応?もしかして自分にもその素質があるのか?
主人公であるリリーが少しずつかわっていく様子は、得体の知れない何かに生まれ変わっているような印象を受けました。
最終的には女性に生まれ変わるための手術を受けることを決意するのですが…
ラストまでみて、この話が実話を元にしたということにびっくりしました。リリーは最初に性転換手術を受けた人だったんですね。
特筆すべきは、奥さんの愛だなと思います。最愛の人が苦しんでいるのをなんとかしてあげたいという気持ちはわかります。
しかし、がんばればがんばるほど離れた存在になるリリー。こんなつらすぎる状況なのに、しっかりとリリーを支える姿は心を打つものがありました。
今はジェンダーフリーという言葉が生まれ比較的認知されるようになって来ましたが、当時は本当につらかったと思います。
映画ではそのあたりはうまく隠されてとてもきれいな仕上がりになっていると思います。
ちょっとオススメしたい1本で、私のランキングが変わりそうです。
ノーマルの方も、そうでない方もおすすめです。