アマプラビデ王の日々

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あの人が消えた|“怪しい人は犯人じゃない?”巧妙なミステリーを楽しむ

何の気なしにみはじめて、「よくあるサスペンスかなぁ」と思っていたのです。“人が消えるマンション”でちょっとホラー寄りにしてあるけど、ストーリーには直接関係ないだろうと。

でも、丸子が部屋に入ったあの瞬間からすべてが変わる。静かな映像の奥でじわじわ膨らんでいた違和感が、一気に爆発したような感覚だった。ラストにかけての展開が見事で、「あ、ここで全部つながるのか」と思わず唸りました。

映画をざっくり紹介

2024年公開の日本映画『あの人が消えた』。監督は水野格、主演は高橋文哉。
配達員の丸子が日々荷物を届けるマンションで、住人が次々と“消える”という噂が立つ。丸子は不安を覚えつつも、日常の業務をこなすうちに、奇妙な違和感を目にし始める──。

日常の中の違和感から始まる

序盤は淡々とした雰囲気で可もなく不可もなく進みます。
でも、その“普通さ”こそが仕掛け。ただ、見るからに怪しい人ほど犯人ではない。そういう“疑う目線”を観客に植え付けておいて、後半で一気に裏切ってくる構成が絶妙です。

丸子が部屋に入ってからが本番

特に印象的だったのは、終盤。丸子がとある部屋に入ってから。ここで物語の伏線がすべて回収され、丸子の行動や住人の不可解な言動が一本の線につながる。観終わったあとに「あの時の違和感はここに繋がってたのか」と納得できるラストです。

俳優陣について

高橋文哉さんは、どこにでもいそうな青年らしさと、後半で見せる“追い詰められた表情”のギャップが良かった。
田中圭さんの先輩配達員・荒川は、軽口を叩きながらも存在感があり、作品に深みを加えています。北香那さんも静かに怖さを出す演技で印象的。
全体的に、“派手ではないけどしっかり演技で見せる”キャスト陣のバランスが見事でした。

作品全体を通して

一言でいえば、「静かに仕掛けて、最後に爆発するタイプのサスペンス」。
派手な演出や大げさな音楽ではなく、“違和感”を積み重ねて観客を追い詰めていく。
そして最後にそれをきっちり回収して終える。ちょっとやられちゃいましたね…。