テイク・シェルター~ずっと奥歯に何か挟まったみたいな感じだった
田舎の工事現場で働くカーティスは、優しい妻と耳の不自由な娘と幸せな毎日を過ごしていた。しかしある日突然、恐ろしい大災害の悪夢にうなされるようになる。それを、実際に天変地異が起こる予兆と信じた彼は、避難用のシェルター作りに没頭していく。
2時間ずっともどかしい。
そしてラストは何だいあれは。
もしかして、カーティスは予知能力者だったの?だから家族は全員救われたの?そんなところで切らないでくれー。もどかしい。
妻と難聴の娘を持つカーティスは普通の大人です。
作られた時代がやや古いので、男は外でプラプラして妻は家で待っているというような感じの家庭でした。
妻は家庭を守り夫を支える。夫のカーティスもしっかりと働いて時間を作って子供の面倒を見る。悪くない感じですが、冒頭からくらーいイメージで映画は進みます。
カーティスの頭がだんだんおかしくなっていく過程が長々と演じられるのですが、正常と異常のギリギリのラインを攻めてくるものですからもやもやしてしまう。
そんなちょっとずつじゃなくて一気に振り切れて、ハチャメチャにやってしまえと思うのですが、カーティスも耐えに耐える。
この表情がまたなんとも言えなくて、シャイニングみたいな気味悪さが残ります。
都合よい感じで嵐が来るので、みんなの反対を押し切って作ったシェルターに一家で逃げ込むのですが、今度はそこから出られない。
鍵を開ける/開けないの問答が夫と妻の間で行われます。
最終的に夫は自分でカギを開けることができたのですが、このあたりも本当にもどかしい。さっさと開けて夫を病院でもどこでも連れていけと思うんですが、ほんとうにできた妻です。
時間をかけて夫を説得し、シェルターからの脱出に成功します。
だけどもこれだけで病気を克服できるわけもなく。つらい毎日が続くんだろうと思うとなんだかやるせなくなります。
夫はしばらくあのシェルターで生活してもらって、母娘だけで生計を立てる道を選んだほうがよかったのではないでしょうか。
ラストシーンは謎だらけです。
カーティスが入院となってしまうのでしばらく家族旅行には行けないからと、有り金をはたいてビーチに出かけます。
旅行に金を使うくらいなら娘さんの病気を治してあげたほうがいいんじゃないかとも思いましたよ。
また、病気の治療費もいくらかかるかわからないうえに、収入のあてが亡くなったんだからお金は大事だと思うんですけどね。
そして娘が洋上に現れた嵐に気づくんですよ。
夫も娘も特殊能力の持ち主だったのか。あの嵐がやってきて、みんなゾンビ化して生きている人間を襲うようになるのか。
結局よくわからないじゃないの。
こういうストーリーなのだから文句を言うのもおかしいのですが、なんだかなぁ。
視界の悪い水中に放り込まれたような映画でござんした。