南インドの都市、チェンナイ。スラム街に住む幼い兄弟は、日々働きながら生活していた。そんな中、街に初めてピザ店がやってくる!色とりどりの具がのるピザに釘付けの兄弟。想像できない味を体験してみたい。しかし、それはなんと家族の1ヶ月の生活費よりも高かった!そこで二人は、ピ...
インドのスラムの近くに新しくできたデリバリーピザのお店。
スラムの子供達はビザを見るのも初めてで、どうしてもこれを味わってみたい。
なんとかお金を作ってピザ屋へ向かうも、店先で追い返されてしまいます。
だけどもあきらめられない。何が悪かったのか自分達で一生懸命考えて、2度目のトライ。普通の映画ならば、ここでおいしくピザが食べられてハッピーエンドとなるところでしょう。
ところが、ここでも彼らは断られてしまうのです。
子供が大人にひっぱたかれるシーンというのは映画とはわかっていてもかなりズシンときますね。
この事件をきっかけに映画の流れが一気にかわります。果たして彼らはピザにありつけたのでしょうか。。。
インド映画には社会に対する問題提起が含まれているものが多く、今回も例外ではありませんでした。
ずいぶんと前からインドで問題になっている格差。その差は日本の格差なんて比較にならない大きい。
スラムの人々には住所だってない。池のそばに住む○○さんとか、寺院の隣の通りの○○さんとか。これではピザ屋も配達ができません。
毎日数ルピーで生活をしなくてはならないスラムの人々。
一方金持ちの子供は数万ルピーもする腕時計を身につけている。食事も着るものもまったく違う。
もちろん彼らは努力をしたのでしょうが、どれだけがんばっても超えられない壁がいくつもありそうです。
それから、政治家の腐敗についても指摘されていました。あの金満おやじっぽいのがなかなかいいんですよね。
コネだかカーストだか金を使って政治家になった男。その無能っぷりと汚さが良く出ていました。
町のへたれチンピラも良かった。日本はちょいわる=ちょっとかっこいいってなっていますが、こんな感じで描写してくれたら少しは見方かわりませんかね?
また、最後の兄弟のセリフも良かったです。
いま私の身の回りにあるものは本当に必要なものなのか、それだけの価値があるのかなど、ものすごく考えてしまいました。
最後に、原題はThe Crow's Egg(Kaka Muttai)。スラムの子供達にとってニワトリの玉子は贅沢な品物です。
それにしてもからすの玉子って生で食べて大丈夫なのかな。。。
私は、このカラスの玉子っていうタイトルのほうがよかったなぁ。
インド映画らしいダンスは一切ありませんでしたが、楽しめる1本でした。