エルトン・ジョンが世に知られるようになるまでの波瀾万丈な半生に迫った唯一無二の伝記映画。往年のヒット曲の演奏シーンは見逃せない。小さな町の少年がいかにしてロックンロールのアイコンになっていったのかを描く。©2020 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ブラジルリオのサンバを思い出すような衣装でいきなり登場するおっさん。
その直後になぜかシュンとしてしまうおっさん。さて、これはどんなお話なんでしょうか。
しばらく見ると、ある歌手の軌跡を描いたものだということがわかります。
エルトン・ジョンという歌手を私は知りません。ですが、作中に登場する音楽の中には、耳にしたことのあるものがいくつか登場しました。
本人の意思とは無関係に盛り上がっていく周囲の人々。走って、走って、走っても一人。自らを追い込むようにステージに立ちますが、見ているこちらからしたら「もうやめようよ、立ち止まろうよ」と何度も言いたくなりました。
酒、ドラッグ、それから女---ではなく彼の場合は男なのですが、一番ついていけていなかったのは彼自身なのではないでしょうか。
いくつか分岐点はありました。ですが彼はうまく自分の気持ちを表現できないんだと思います。
最終的に、彼は第1線から退く決意をします。どれだけお金を稼いでも埋められないものというのはあるのですね。彼の心が完全に破壊されなくてよかったと思います。
最終的に彼が手にしたものは一体何だったんだろうか。あそこまで有名にならなければ見えなかったものもたくさんあるのだろうなと思いました。
映画中の音楽はちょっと泣きそうになるシーンもありますので、人込みの中で見るときはご注意ください。