アマプラビデ王の日々

プライム会員ならば見放題。人生最高の1本が見つかるまで。。。

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法~夢の国のすぐ隣の出来事。最後はむなしさが残った一本。

 

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(字幕版)

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(字幕版)

  • 発売日: 2018/10/03
  • メディア: Prime Video
 
 
 
 

小さな女の子が手を取り合いながらディズニーランドに入り人ごみの中を掻き分けながら必死に走る。そしてシンデレラにたどり着いたところで映画が終わる。こんな終わりかたってあるのでしょうか。

 

自分の置かれている状況をうまく伝えられないムーニーが、同じように状況を理解できていない親友を頼ったとき、どんな反応をするのか。シンデレラ城に行っても、ムーニーの状況が好転することはないでしょう。母親のヘイリーは刑務所に連れて行かれ、ムーニーはどこか知らない土地で暮らすしかなくなる。大人は「結局何も変わらないんだ」と思うかもしれません。しかし、ムーニーと親友が無我夢中に走り回ったこの大切な思い出が、彼女の心を支え続けてくれるかもしれません。

 

映画を見終わる準備ができていないのに唐突におとづれるエンディング。つまり、この映画の解釈は自分の頭で考えろと言うことでしょう。

 

映画のざっくり紹介

2017年に公開された『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(原題:The Florida Project)は、ショーン・ベイカー監督が手がけたヒューマンドラマです。フロリダのディズニー・ワールドのすぐ外側にあるモーテルで、貧困生活を送る6歳の少女ムーニー(ブルックリン・プリンス)と、シングルマザーのヘイリー(ブリア・ヴィナイテ)の日常を、子どもたちの視点から瑞々しく描いています。きらびやかな夢の国のすぐそばで、厳しい現実に直面する人々の姿を通して、貧困と子どもの純粋さというテーマに深く切り込んだ作品です。ウィレム・デフォーがモーテルの管理人役を演じ、素晴らしい演技を見せています。


www.youtube.com

 

夢と現実の残酷なコントラスト

母親のヘイリーは、ミドリ色の髪の毛、無職、ドラッグと、退廃的な生活を送っています。だからといって育児を放棄しているわけではなく、面倒を見るというよりは、ムーニーの友人として一緒に楽しんでいるように見えます。ヘイリーを取り巻く人々も、決して悪い人ばかりではなく、モーテルの管理人(ウィレム・デフォー)のように、さりげなく彼女たちを支えてくれる人もいました。

 

しかし、自業自得と言ってしまえばそれまでですが、底辺から這い上がれないヘイリーは、坂道を転げ落ちるばかり。とうとう超えてはいけない一線を越えてしまい、友人たちにも愛想を尽かされ、ムーニーは保護対象となってしまいます。

 

迎えに来た保護観察員に、何が起きているのか理解できないムーニーは、本能的に母親と別れなければならないことを感じ、どうしていいかわからないまま、親友の家のドアを叩くのです。

今思い返してみれば、モーテルの看板にはディズニーのロゴが描かれていましたし、誕生日を祝うときに上がった花火は、ディズニーのシンデレラ城で毎日打ち上げられる花火ですよね。あのマジックバンドも、ディズニーのものに違いありません。

 

夢の世界はすぐそこにあるのに、現実の世界はこんなにもくすんでいる。この残酷なコントラストに、自分の理想と現実を突きつけられたようで、少しむなしい気持ちになりました。ムーニーがいくら楽しそうに遊んでいても、そのアイスは、知らないおばさんから恵んでもらったお金で買ったものです。そして、ヘイリーとムーニーが楽しそうに撮っていた自撮りも、実は売春相手を探すための一枚だったんですね。

 

楽しそうにしているけれど、どこかに漂うむなしさ。そうだ、この感覚はむなしさですね。それこそが、この映画の魅力なのかもしれません。

関連記事