ミリオンダラーベイビー
「グラン・トリノ」「ミスティック・リバー」のクリント・イーストウッドが監督・主演のヒューマン・ドラマ。小さなボクシング・ジムを営む老トレーナー、フランキー。ある日、31歳になる女性マギーがフランキーに弟子入りを志願するが、追い返してしまう。フランキーの親友スクラップは、諦めずジムに通うマギーの素質と根性を見抜き、目をかける。フランキーはついにトレーナーを引き受けるのだが…。
最後に救われるんだよね、このままじゃ終わらないよね。私の願いは聞き入れられず、非常にむなしい終わり方だったと思います。
罪を背負って残りわずかな人生を細々と生きるのが幸せか?
指一本動かせない状態でも、生きているだけで幸せか?
スクリーンを二分する光と影。そんなシーンが印象的だったのですがそれはこのエンディングを暗示していたのですね。
モーガン・フリーマンの、 “ ボクサーが一生戦える回数は決まっている。”の言葉通り、彼女はあのタイトルが最後のラウンドになりました。
ボクシングでのラフプレイ。それだけではなく、彼女を苦しめる最低の家族。
この世の中というのはどんな汚い手を使ってでもやったもの勝ち、生き残ったもの勝ちなんでしょうか。
弱いものは死ぬまで虐げられ、生き残ったものだけが日の光を浴びることが出来る。だからこそ、「自分を守れる人間になれ」というクリント イースト ウッドの言葉がずしりと心に残ります。
世界にはいろいろなスポーツがありますが、映画の題材という観点でみるとボクシングは異質だと思います。
弱小チームが強豪を倒すというのがスポーツ映画の定番ではありますが、ボクシングだけはそれがあまり似合わない。
どん底まで落ちて、さらに下に落ちて。やっとこさはいあがって周りを見回したら結局自分ひとりだった。そんな印象を受けるのがボクシングです。
そして全体的にバッドエンドとなる映画が多いような気がしています。
ボクシング映画といえばロッキー。
子供の頃に見たような記憶はありますが、もしかしたら「エイドリアーン」って叫ぶネタを見ただけかもしれない。
あのラストはどうなっていたのだろうか。今度はロッキーに挑戦だ。