トゥ・ウォーク・インビジブル
「トゥ・ウォーク・インビジブル」は1845年のイギリス、ウェストヨークシャー州を舞台にシャーロット(フィン・アトキンス)、エミリ(クロエ・ピリー)、アン(チャーリー・マーフィ)のブロンテ三姉妹がさまざまな苦難と社会的な束縛を乗り越え“嵐が丘”、“ワイルドフェル・ホールの住人”といった古典作品で有名になるまでの類いまれな物語である。家庭で数々の悲劇に悩まされたことは、姉妹の作品に多大な影響をもたらすが、当時は女性作家に対する偏見があったため、彼女たちは男性のペンネームを使って小説と詩を出版する。
イギリス映画というステレオタイプで決めつけてしまうのは良くないのですが、なぜこんな暗い雰囲気にしたのでしょうか。
天才三姉妹が、逆境にも負けず女性作家として、華々しくデビューするという内容です。
3姉妹のうち2名は残念ながら若くしてなくなってしまうのですが、社会の常識を覆し、多くの名作を残したのですから、むしろハッピーエンドのお話ではないでしょうか。
しかし、映画全体を通して薄暗い印象が強く、もしかしたらこれは最後まで努力が報われないパターンじゃないのだろうかと心配してしまいました。
また、あの酔っぱらいをあそこまでピックアップして登場させる必要はなかったと思います。
自分の才能のなさに気づくが、家族からのプレッシャーは強い。結局彼はだれにも必要とされていないどころか、足手まといだったんですよね。
それに気づいたときはもう手遅れ。
後半、彼が覚醒して大成功するパターンも考えたのですが、そんな逆転劇もなく、3姉妹を苦しめただけと。
ラストもなんとも言えない感じで終わってしまい、どうももやもやしてしまいました。
だからといって、最悪の映画だったのかと言われるとそうでもなく、ぐっと引き込まれてしまう何かはありました。
タイトルは、To Walk (with) invisibleでいいのかな。それともWalk to invisibleでしょうか。
walk to ~にすると、未知の領域に踏み出すような印象です。 withが省略されているパターンだと、目隠しをしたまま進むとか、手探りで進むといったそんな印象を受けるタイトルで、個人的にはこちらだったらいいなと思っています。
女性の地位が低い時代、彼女たちが小説や詩を発表し、評価を得ることは並大抵のことではなかったと思います。そして、自分たちの偽りを告白するのももっともっといろいろな葛藤があったと思います。
そのあたり結構あっさりなんですよ。。。
悪くはなかったんだけども、もっとすっきりした展開を期待していました。イギリス映画って全部こんな感じじゃないですよね。