アマプラビデ王の日々

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THE GUILTY/ギルティ ~ 最後の電話で誰に何を伝えたのだろうか

 

本年度アカデミー賞外国語映画賞デンマーク代表。『セッション』『search/サーチ』に続く、サンダンス映画祭観客賞受賞作品!米レビューサイトロッテントマト、驚異の満足度100%!!!緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルムは、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、些細な事件に応対する日々が続いていた。そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されている女性自身からの通報だった。彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。微かに聞こえる音だけを手がかりに、”見えない”事件を解決することはできるのかー。

 

あの最後の電話ですよね。私は明日証言をしてくれる同僚にかけたのかなと思いました。

 

では同僚にかけたとして、打ち合わせ通り証言してくれと頼むのか。それとも真実を伝えて欲しいと頼むのか。

 

これは自分なりの考えがあって、当初の打ち合わせ通りに証言してくれ、つまり偽証してくれと頼むんじゃないかなと思っているのです。

 

電話番の彼はあの彼女に真実を伝えた。結果として彼女を救った。それで彼の贖罪は終わったのです。

 

もしかしたら、半ば狂っていた彼女は彼の話をまともに理解できていないかもしれない。たまたま幸運が重なって橋の上から降りただけかもしれない。

 

でも一人の命を救った、子供の願いをかなえたことは事実です。


自分は社会に必要な人間だと思ったことでしょう。

 

もう一つのルートとして、なんとなく出ていった妻に連絡をするのかなとも思ったりしました。愛想をつかされたのか、ほかに男ができたのか妻がいなくなった理由は説明されませんが、あの電話番の彼に原因があるような口ぶりでした。

 

妻に戻って欲しいと伝えるのだろうか。それとも妻にだけは真実を伝えるのだろうか。
最後の終わり方は含みがあってとてもいいですよね。

 

この映画、電話の向こう側は言葉でしか情報が伝えられません。
声と音と間だけで緊迫感と絶望を作りだす。

 

映画ってやっぱりすごいな。その技術に誰でも触れられるっていうのはとても幸せなことだ。

 

ビッグマッチ~最後までしっかり面白い

 

イカゲーム」主演のイ・ジョンジェが挑む上流階級のための【死のゲーム】実力派トップ俳優シン・ハギュン、アジアの歌姫BoAが参戦の本格アクション・エンターテインメント!(C) 2014 BK PICTURES ALL RIGHTS RESERVED

 

韓国映画ですがこちらも少し肩の力を抜いて見れた1本でした。


敵の弾丸もあたらない、どれだけ高所から落ちても死なないチート機能を持った男が主人公ですから、もう漫画の実写版みたいなもんですよ。

 

よくわからないうちに事件に巻き込まれて、最後のボスキャラみたいなやつも倒すというお話。

けっこうしっかり設定が作れており、様々な登場人物がいますが、きれいにまとまって終わります。

 

ネタキャラもしっかりアクセントになって最後まで楽しく見ることができましたよ。

 

韓国の俳優といえばあの人。名前がわからん。。。
今回は紫のスーツを着てサイコパスチックなボスキャラだったんですがこの人すごいわー。

 

彼が登場するとつい目がそちらに移ってしまって主役の人よりも気になってしまいます。むしろこの人が主人公と考えていいんじゃないかなー。

 

ヒロインというほどでもないのですが、ちょっと無愛想な女性が登場してどこかで見たことある顔だなと思っていたらBoAさんということでした。

 

あれ、この人歌手じゃなかったっけ?女優業もやっているんですね。

 

韓国映画らしくややオーバー気味なところはありましたが、オススメです。

ミッド・サマー ~華やかだけど強烈に残酷。こんな組み合わせアリ?

 

ミッドサマー(字幕版)

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  • フローレンス・ピュー
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アメリカで暮らす大学生のダニーと恋人のクリス、その仲間たちは、交換留学生であるペレの故郷スウェーデン夏至(ミッドサマー)に行われる祝祭に誘(いざな)われる。その村では、90年ごとに9日間の浄化の儀式が行われ、人々は着飾って様々な出し物をするのだという。人里離れたヘルシングランド地方、森の奥深く、美しい花々が咲き乱れる“ホルガ村”を訪れた5人は“白夜”のもと、優しく穏やかな村人たちから歓待を受ける。しかし、閉鎖空間の中、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。(C)2019 A24 FILMS LLC. All Rights Reserved.

後味が悪い映画と聞いていたけど、後味どころかずっと胸が苦しかったわ。久しぶりになんて表現したらよいか困る気持ちになったぞ。

 

ええー、まず何から書こうか。
やっぱり冒頭の3つの死体からかなぁ。

 

これ、本編とは全然関係なさそうに描かれているけどそんなことはないんだよね。死というのは身近で悲しい。そして突然やってくる。

 

これ普通ですよね。こんなシーンなくてもいいという意見もあるけれど、ここで当たり前の感情を示しておくことで、その後の2人の老人の死から始まる一連の出来事が異質なものとして映るわけですよ。

 

大自然、きれいな花、真っ白な服。穢れなんて知らなそうな人たちなのにやっていることは野蛮で残酷?いいえ、本人たちからしたら普通のごく当たり前の行為です。

 

ここで部外者である自分達のほうが正常と線を引けるのは冒頭のシーンがあるからだと思います。


アレがなければ完全に第3者としてカルト宗教の映画見ているのと変わらないですもの。

 

それから異常なことが続くのですが、もう何というか途中からこっちの頭がおかしくなりそうになりますよ。共同体のメンバーの言っていることは至極まともで、私のほうが異端じゃないかと。

 

だって、楽しそうなんだもん。とっても。そして強い信念みたいなものも感じちゃいましてね。もしかしたら自分もこの輪に入りたいんじゃないかという錯覚に陥ってしまいます。

 

私はてっきりあの子はボーイフレンドと逃げちゃうのかと思っていました。


若い女が一人抜けるためには一人補充が必要になる。
なので主人公のあの女性を祭り上げて自分は駆け落ち...。そんなチープな内容ではありませんでした。

 

輪になっていたすシーンもそうとう危険。あんなの目の当たりにしたら私普通に戻れなくなっちゃいますよ。


カマキリのメスは事が済むとお相手のオスを食べちゃうらしいですが、まさにそんな感じなんですかね。。。

 

ラストで火に包まれた男性が恐怖の声をあげるのも印象的です。
あの段階になってやっと彼は洗脳が溶け、人間に戻ったんですよね。死にたくない、生きたいって。

 

逆に主人公の女性の最後のほほえみは、不浄なものが浄化されこれでしばらくは共同体は安全とでも思ったのでしょうか。

 

つまりあの瞬間、彼女はあっち側に行ってしまったのです。

なんというかいろいろ書きたいことはあるけど、いろんなシーンがぐるぐる回って私の頭がいかれてしまいそうになる。


久しぶりに手が止まらないくらい書きなぐってしまった。

 

映画でこんなこともできるのか。今までたくさん映画を見たつもりでいましたが、とても衝撃的な1本でした。

 

これはまた見ちゃうかもしれないな。