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ソウルガールズ~アボリジニの迫害の歴史は知っておくべきだ

 

ソウルガールズ [Blu-ray]

ソウルガールズ [Blu-ray]

  • 発売日: 2014/07/02
  • メディア: Blu-ray
 

1968年、オーストラリア。アボリジニの居住区に暮らすゲイル、シンシア、ジュリーの三姉妹と従姉妹のケイは幼い頃より歌が好きで、カントリー音楽を歌いながらスター歌手になることを夢見ていた。だが根強く残る差別から、コンテストに出場してもあからさまに落選させられる。そんな状況から抜け出したいと思っていた矢先、自称ミュージシャンでソウル狂いのデイヴと出会いソウル・ミュージックを叩きこまれることに・・・。

カントリーミュージックを歌っていたアボリジニの4人娘が、ベトナム戦争の慰安シンガーとなり有名になるお話です。


グループの名前は「ザ・サファイアズ」。その前のグループ名はカザフィ……、ファス……、なんだったかな。


あのインチキプロデューサーみたいなリアクションになってしまった。


映画の中でもグループの元名前をいうシーンが何度か繰り返されましたが、あんな難解な名前覚えられないですよ。

 

登場する曲は10曲くらいですかね。本人が歌っているわけではなく、プロの歌手の声をかぶせてあります。イヤホンを通してですが、この音楽のシーンは結構感動します。

 

それよりもこの映画、アボリジニや黒人の差別についてかなり辛辣に描かれている点に注目したい。

 

冒頭に3姉妹でコンテストに参加したときなんかひどいですよね、周りの反応が。
まー、よくもあんな汚い言葉平気で言えるなと思うのですが、それよりももっと恐ろしいのが盗まれた世代(Stolen Generations)のお話ですよ。

 

これ、北朝鮮の拉致とほとんど同じというかもっとひどいかもしれない。

 

1870年から1970年にかけて、オーストラリア政府は、アボリジニの居住区を強制的に決めてしまいます。


もしかしたらこれは、白人を含めた海外からの居住者の差別や略奪、暴力などからアボリジニを守る目的があったのかもしれない。

 

まあこれは当時の事情を鑑みてギリギリセーフだったとしましょう。続いて行われたのが白人っぽい子供を親から引き離すことでした。

 

これは意味が分からない。Wikiなどによると、混血の子供の中にはアボリジニよりも色の白い子供が生まれたらしいです。その子供を親から取り上げ、強制的に孤児院などに送り込むというもの。

 

これって拉致ですよね。しかも政府が強制的にって恐ろしすぎますよ。

映画の中でもケイが言いますよね。「私も同じ黒人、色素が薄いだけ」。


そうですよね、違いはあったとしてもそこまでやる必要があるのか。というか、黒も白も黄色も関係ないだろうに。戦場で死にそうなのに黒人の治療は受けないと騒ぐ白人兵士。なんというかこの時代だからですかね、本当に無茶苦茶で、今では考えられない状況です。

 

途中に姉妹の確執があったり、インチキプロデューサーとの恋があったりとエンターテイメント的な要素が付け加えられていましたが、そんなものは本当にどうでもよい。

 

アボリジニの迫害の歴史が知れただけで、私は十分満足です。当時彼女達が置かれた状況を考えると、何とも言えない気持ちになりました。

 

これ、どこかで見たことがあるなと思ったら、ドリームガールズですね。物語の流れなんかもかなり似ている。ある程度参考にしているところは間違いないはず。

 

 

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ただ、アボリジニの美的感覚としてはちょっぴり太目がキュートなのですかね。
かわいいというよりかたくましい感じの女性が多いです。

 

ラストでケイがアボリジニの儀式で再び迎え入れられるシーンはいいですね。ラブシーンよりはそういうシーンがもう少し多いほうがよかったなー。