トランスワールド~ぐるっと回ってそう来たか!
人里離れた森の中で、夫とドライブ中にガス欠になり、ガソリンを買いに行った夫を待つサマンサは、同じように車のトラブルで立ち往生しているトムに遭遇し、無人のキャビンで一緒に夫を待つことに。
原題はEnter NoWhereです。
さあ今からトランスワールドを見ようと思っているのに、いきなりタイトルにこんなのがでると驚いてしまいます。
私が字幕なしで見ることができればすべて解決なんでしょうけど、これだけ映画を見ているのにほとんど聞き取れないという。
しかし、最後まで視聴してこの映画はトランスワールドもありだと思いました。
冒頭に登場する2人の若い男女。そして襲われる善良な市民。
ボニーとクライドを意識して作っているのではないかと思うようなこの構成。
銃声と共にシーンは切り替わります。
冒頭のパンキーな雰囲気とはうって変わって正統派の美人女性が森の中をさまよいます。見つけた1件の家、そこにとりあえず避難しますが、その住人らしき怪しい男に助けられます。
しばらくは2人の攻防が続き、冒頭のシーンが全く意味不明だったのですが、満を持して冒頭の女性が迷い込みます。
3人になった彼らが脱出を試みるもなぜかできない。そのうちお互いのいる場所と年代が一致していないことに気づきます。
いいじゃないですか、この展開。先がどうなるかまったく読めませんが、時折聞こえる銃声がなんか怖い。
しばらくするとその銃声の主と思われるドイツ人が迷い込んできて、物語が一気に進展します。防空壕も、彼女がドイツ語をかろうじて喋れたのも、母親が死んだ原因もすべてがつながり始めます。
未来を変えるためには生き残るしかない。
で、追っかけっこして、バーンって銃で撃たれて、それからソ連軍の空爆を受けて、小屋がどっかーんてなるけど、ギリギリで防空壕に逃げるのです。
そしてラストシーンですべてが変わったことがわかります。
残念ながらあの店員さんは冒頭だけでなく、ラストも銃弾をぶち込まれますので2回も死ぬことになるのですが、ここに注目したのはきっと私くらいのものだろうと思います。
もしや、あの店員がキーとなって今度はあの女性が同じ道をたどるのでしょうか。
90分程度の映画でしたが、先が読めずにとても楽しく見ることができました。
おすすめしたい1本です。