アマプラビデ王の日々

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クロッシング~最後の弾丸が良かった

 

クロッシング(字幕版)

クロッシング(字幕版)

 

 『イコライザー』のアントワン・フークワ監督、『プリデスティネーション』のイーサン・ホーク主演の刑事サスペンス!定年目前のベテラン警官、貧困に苦しむ麻薬捜査官、仕事に息づまる潜入捜査官。全く接点の無かった3人が、ある殺人事件をきっかけに奇妙で危険な繋がりを見せ始める。

 

3人の問題ある警官が登場します。

 

一番かっこいい警官は家族には恵まれるものの、金がない。
一人でマフィアのアジトに乗り込んで汚い金を略奪したくなるくらいに貧乏。

 

その理由は子沢山だから。自業自得の気もしますが、妻の喘息を改善するため、子供達の部屋を用意してあげるため、引越し代金の捻出に四六時中悩まされます。

 


黒人の警官は出世欲。

金には執着していません。

 

危険を顧みず、マフィアに潜入調査をするものの、親友を守るために戦います。

 

彼はどちらかと言うとマフィア側の人間ですよね。

出世しか考えない上司に腹が立ち、自分がその立場になって自分達の環境を変えたいのだと思います。

 

冒頭で警官に殺害される若い黒人の話もこれを印象付けています。アメリカの警察の問題を指摘しているのですかね。

 


最後の一人は、あと1週間で定年を迎える警官。

 

彼は事なかれ主義。
見てみぬ振りをしてたいした成果も挙げずにこれまでやってきました。

 

あまりにも無関心なので、血の気の多い新人にさげすまれてしまいます。

彼は独身。アジアの娼婦に入れ込んでいますが、お金だけのつながりと言うのは十分に理解できている感じです。

 

若い警官の誤射ではなぜ彼があそこまでしたのでしょうか。事なかれ主義であればそのまま上の意向に従えばいいのに。

 


それぞれ味のある3人ですが、ラストでやっとつながります。つながるといっても、場所が同一になるだけで、行動はばらばら。

 

かっこいい警官はやっぱり撃たれ、黒人の警官も撃たれます。

 

さて残り一人。「老兵は死なず、ただその場を去るのみ」となるのか、それとも他の2人と同じような結論となるのか。

 

鍵となるのは、その直前にこめた1発の銃弾。

 

彼はあそこで自殺しようとしたんですよね。

ある好奇心から自殺をやめ、見ず知らずの娼婦を助けます。

 

ピンチに陥るも、自分のために用意した1発が自分の命を救うのです。

 

しかし彼はすでに職を辞したあと。
警官としての名誉にはなりません。一市民として表彰状を送られるくらいでしょうか。

 

全体的に暗いイメージの一本でした。途中までは正直なところわけがわからなかった。

 

問題のあるやつらの、それぞれの結末を楽しむお話だとあまりにも短絡すぎますので、これはアメリカ警察の問題点を指摘している作品なのでしょうか。

 

日本の警察もパワハラがあったり見ず知らずの男に突然殺されたり。最も苦しむのは現場の人間ですよね。それはどの国でも共通ですね。